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吸血鬼さんバトルする21
「お願い、あの子達を助けて……!」
「あの子達……?」
不意の先生の言葉に、私は思わず首を捻る。
けれど、少し考えて後、先生の言葉の意味を理解した私ははっと顔色を変える。
「もしかして、クラスの皆のことですか?」
私の言葉に、まるでそうだと言う様に強く首肯く先生。
しかし、どうやら、怪我は治ってはいるが、精神的なショックからは立ち直れていないらしい。
その証拠に、私達の手を包み込む先生の両手は、未だに小さく震えているのだ。
私はもう片方の手で先生の手を包み込む様に握ると、刺激しない様出来るだけゆっくり、先生に問い掛ける。
「先生? もし、違ってたらごめんなさい。でも……もしかしたら、先生は皆に何があって、何処に居るのかを知ってるんですか?」
「……ええ」
私の問い掛けに、先生は再度頷きながら答える。そして、何が起きたかを震える声で私達に話し始めた。




