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吸血鬼さんバトルする17
私は手探りで扉の直ぐ横、入口側の壁にある筈の電気のスイッチを探すと、試しにそれをオンにしてみた。
しかし、何も変わらない。ホールは暗い闇に閉ざされたままだ。
(もしかして、蛍光灯だけじゃなくて電気の装置の中まで壊れちゃってるのかな。何か明かりになるものを探さないと……あ、そうだ。スマホがあったじゃない! あれなら、かなり明るい筈だよね)
私は一番身近な光源を思いつくと、直ぐに胸のポケットの中に手を伸ばす。直ぐに固くて四角い機体が手に触れた。私の愛用のスマートフォンだ。
それをポケットから引っ張り出すと、スリープモードを解除し、懐中電灯の様に前方に翳してみせる。
同時に、自身の掌に美しい蒼い炎を宿し、やはり前方を照らし出すリルゼイ。
「もう……そういうのが出来るんだったら早く言いなさいよ」
私は思わず、がくりと脱力する。
けれど、彼は相変わらずよく分かっていない様な表情のまま小さく傾げた。
「ああ、これか? 済まない。真由が灯りを持っているとは思わなかったものでな」




