表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私のペットな吸血鬼  作者: 埜吹陸斗
68/81

吸血鬼さんバトルする⑧

 何だかそれがとてつもなく皮肉に思えて、私は、彼の背中に回した腕に、少しだけ力を込めた。


(あんなに、心はあったかいのにね)


 私が彼の腕の中で、感傷に浸っていると、不意に目の前に大きなコンクリートの塊が飛んでくる。


 それを間一髪で躱し、音楽棟の屋上に着地するリルゼイ。


「どうやら、もう始まってしまっている様だな」


 彼の言葉に嫌な予感をひしひしと感じつつ、私は敢えて問い掛ける。


「な、何が始まってるっていうの……?」


 すると、リルゼイは珍しく鋭い眼差しで、周囲の気配を窺う様にしながら答えた。


「レディ……君が信じたくない気持ちはよくわかる。だが、どうやら、ファー・ジャルグと神獣の戦いはもう始まってしまった様だ」


「そんな……!」


 リルゼイの言葉に、クラスの皆の笑顔や今日までの思い出が走馬灯の様に私の頭の中を駆け巡る。


(戦いが始まってるなんて。それじゃぁ、もう、皆は……?)


 怒りが悲しみが絶望が、一気に私の全てを支配する。


 私がもっと早く着けていれば。私が練習さえ忘れていなかったら。


(そうしたら、皆を救えたかもしれないのに……!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ