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吸血鬼さんIN学校13
「ちょっと、リルゼイ。折角のイケメンが崩れちゃってるから」
苦笑しつつそう言いながら、リルゼイの頭をそっと撫でる。
これは、リルゼイが何時も私にしてくれていることへのお礼――お返しだ。
そうして私は、リルゼイにリントを託すと、体育館に向かいくるりと踵を返す。
「ふぇ、お姉さん?」
「真由、何処に行くんだ?」
余りに不安そうな二人の声に、私は振り返るとひらひらと軽く手を振ってみせる。
「部活よ、部活。 人間――高校生はね、ちゃんと授業や部活に出てないと後で大変なことになっちゃうの。行きたい大学に行けなくなったり、働きたい職場で働けなくなったりしちゃうんだから」
「ふわぁ、そうなんだ」
「人間も大変なのだな」
二者二様の反応に、私は再度苦笑を漏らす。
そして、二人に目を向けたまま、私は更に話を続けた。




