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私のペットな吸血鬼  作者: 埜吹陸斗
39/81

吸血鬼さんIN学校⑩

(消滅って……かなり危機一髪な状況だったのね)


 少年の発言にほっと胸を撫で下ろしながらも、私は手を振ってみせた。


「見付けられて良かったよ」


 しかし、私の隣に立つリルゼイは、口元に手を当て、何やら考え込む様な様子を見せている。


「何、リルゼイ? どうかしたの?」


 気になった私が問い掛けてみると、彼は思ってもみないことを口にし始めた。


「なぁ、レディ? もしかしたら君は知らないかもしれないが、彼ら『精霊』という生き物は、大自然から力を貰っている。だから、基本的には怪我をしても直ぐに自身の力だけで回復することが可能な生き物なんだ」


「えっ、そうなの?」


 リルゼイの発言に、私は驚いて少年を見遣る。


 その発言が正しいということを示すかの様に、大きく頷いてみせる少年。


 私は、ぼんやりとだがリルゼイが言わんとしていることを察し、緊張に身を固くする。


(ちょっと待って。じゃぁ、さっきの大怪我って……大自然の力じゃ回復出来ないくらい強い力を持ってる相手にやられたか、回復をする暇もなく複数の相手に同時にやられたか、とかだよね)

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