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私のペットな吸血鬼  作者: 埜吹陸斗
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吸血鬼さんIN学校⑨

 けれど、心配する私を他所に――彼は少年に歩み寄ると、私を振り返り、何時もと同じ様に微笑んだ。


「大丈夫だ、真由。 問題ない。 困っている者に手を差し伸べるのは、貴族の務めだからな」


 彼は両手を、そっと少年に翳す。言い終わると同時に彼の手から紫色の眩しい光が溢れ、少年の体を包み込んだ。


(綺麗な色……リルゼイの瞳と、同じ)


 その光景に思わず見入る私の目の前で、リルゼイの魔力に抱かれた少年の体から、みるみる内に傷が消えていく。


「凄い。でも、一体どうなってるの?」


 果たして、彼は魔力を分け与えるだけではなかったのか。


 そんな意味も込めながら私が問い掛けると、魔力を送っている最中のリルゼイが口を開いた。


「これは、魔力を与えるのと同時に、彼の治癒も行っているのだよ、レディ」


「成る程。だから、傷が消えていってるんだね」


 彼の言葉に納得すると、私は小さく首肯く。


 数分後、完全に傷の癒えた精霊は、私達の目の高さまで浮かぶと、ぺこんと小さなお辞儀をする。


「吸血鬼さん、ありがとう。 貴方のお陰で、僕は消滅しないで済みました」

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