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私のペットな吸血鬼  作者: 埜吹陸斗
33/81

吸血鬼さんIN学校④

「君の小指から伸びた赤い糸を辿ったら、辿り着けたんだ」


「っ!?」


 彼の甘い言葉に思わず固まる私。


 ちなみにこの時、彼の周りに居た女子軍団から、悲鳴にも似た叫びが巻き起こったらしい。


 だが私は完全に前後不覚になっていた為、全く気付かなかった。


「なっ、なっ!? 赤い糸って、何言ってんのよ!?」


 公衆の面前で甘過ぎる言葉を吐かれた事による、極度の照れと恥ずかしさと緊張で、私は大暴れする。


 なんとか彼の腕の中から抜け出すことに成功すると、彼はそんな私に目を細め、優しく頭を撫でてきた。


「驚かせてしまったかな? 済まない、本当は近所の蝙蝠に聞いて来たんだ」


「吸血鬼って蝙蝠と会話出来るんだ!?」


 彼の発言に違う意味で愕然とする私。


 彼は愉快そうに笑いながら、私の両手にお弁当箱とドリンクを乗せてくる。


「先程から、ころころと変わって。本当に、君の表情はいつ見ても飽きないな」


「なっ……!? 何言ってるのよ、もう! この馬鹿居候!」


 私は乱暴にお弁当箱とドリンクを受け取ると、彼に背を向け、体育館に向けて歩き出す。


 と、背後から何やら感じる人の気配。

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