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私のペットな吸血鬼  作者: 埜吹陸斗
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聖夜前日の贈り物②

と、言い訳はこれ位にして。


(あー……やっぱり先月、いや今月の頭には買っておけば良かったなぁ)


 幸せそうなカップルが行き交う銀座の街を、一人頭をかきながら彷徨う私。


 涙が出そうになるのは、きっと街路樹を飾るきらびやかなイルミネーションに感動したせいだろう。


 断じて今年も独り寂しくシングルベルなのが悲しい訳じゃない。


「くっそぅ……リア充は爆発したら良い……」


 物騒な本音を口から駄々漏れにしながら歩いていると――ふと、私の視界に見慣れない見慣れないポスターが飛び込んでくる。


 百貨店のショーウィンドウに大々的に貼られたそれは、どうやら現在開催中の美術展のもののようだ。


「イギリスと幻想の世界展……? へぇ、ちょっと面白そうかも」


 昔からファンタジー小説や少女漫画が大好きな私は、ついポスターににじりよる。


(あ、これって開催が今日までなんだ。 よし、買い物が終わったら寄ってみようかな)


 ショッピングの後の楽しみが増えたことと、美術展の内容への期待に胸を踊らせ意気揚々と百貨店の入り口を抜ける私。


 すると、目の前に大きなクリスマスギフトのコーナーが姿を表した。


「うっわぁ……! おっきい……!」


 此処を勧めてくれた友人から、クリスマスコーナーは目の前だし大きいから直ぐに分かるよ、とは聞いていたが、まさかこれ程だったとは。


 超大手百貨店の本気恐るべし。


 しかも、運の悪いことに中は私の天敵――お互いへのプレゼントを選び合う、幸せいっぱいなリア充なカップル達でいっぱいだ。


(おのれ、リア充共め。クリスマス終了のお知らせでもぶつけてやろうか……)


 とんでもない居たたまれなさとやるせなさに身を切られながら、目的のプレゼントと紙バッグを探しに、リア充の波の中を奥へ奥へと進んでいく私。


「あ、あった……!」


 無事、目的のコーナーを見つけた私は、早速己のセンスの全てを懸けたプレゼント選びに取りかかった。


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