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私のペットな吸血鬼  作者: 埜吹陸斗
27/81

お持ち帰りは吸血鬼で宜しいですか?⑨

「ふふ、こんな事もあろうかとこの本を保管しておいて良かったよ。さぁ、皆? 生の吸血鬼さんなんて滅多にお目にかかれないぞ。是非、色々聞かせて頂こうじゃないか」


 そう言って、青年をソファーに座らせると、ビデオカメラを回しインタビューを始める父。


(ああ、パパもこういう人だった……)


 まるで新聞記者の様に生き生きとした父を見つめ、私は若干顔をひきつらせる。


 まぁ、でも、家族と青年双方に軋轢が生じなかったのは良かった――私がそんな事を考えながら、一息つこうとジュースを飲んでいると、不意に父と青年の会話が耳に入ってきた。


「早速だけど。君、名前は?」


「私か? 私の名前は、リルゼイだ。リルゼイ=D=アルカード三世という」


「おお! 何やら吸血鬼に相応しい、貴族の様な名前だね!」


「いや、私は一応純粋な貴族なのだが……」


「本物の吸血鬼で貴族なのかい!? それは凄い! ぜひ、もっと話を聞かせてくれないか!」


(うっわぁ、パパ超よろこんでる。あんなにはしゃいじゃって、子供みたい)

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