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ドロップド・ハンカチーフ  作者: 大和香織子
ドロップドハンカチーフ2 第一章 進級
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14

 しかし、それにしても川嶋さん嘘だって気が付いて怒っていないだろーか。

授業中、国神さんが言った言葉が気になって、不安で仕方がない。


 「ごめんさっきの嘘でした」というべきか?いや、それを言った後になんで、そんな嘘をついていたの?なんて聞かれたらどうすんだよ。

 バイクの免許の事うっかり言ってしまいかねんだろー!?

 

 まぁ、国神さんの勘は鋭いようだけど、川嶋さんの方は「そうなんだ」って教室に戻って行ったしさ、そんなに心配しなくても大丈夫だろう。


まぁ二か月後くらいには、川嶋さんに一番に伝えるんだし、その時までは我慢さ。


 姉貴に頼まれて多めにコピーした、自家製のC町の地図を眺める。この金持ち二軒には黄色いハンカチいれにくいよな。俺がそう思うって事は、他の奴だってここには入れたくないと思っているに違いないだろ。


 あと、ここ学校行く前にも見える、角の家、咲川さん…・・・ここにもマジ近寄りたくないね、ものすごいゴミが溜まってるし、隣の中代さんの家は、こんな家が隣で堪ったもんじゃないだろうな。


 ごみ屋敷だもんなー。でも、金持ち二軒のうちの耳山さん所ほどでもないか。あの暴力団系の感じからして、もし俺があそこにポストを入れたのを見られて、運悪くその場で捕まったとしたら、コンクリで埋められたりして……。


 うっわー、あそこの家の人ならやりかねんわ、決めた、あそこには黄色いハンカチは入れない。


 そういえば、たまにすれ違う、有名私立高校生の俺と同じ年位のあの男、どこに住んでんだろ。


 ああいう高校を出ているからには、目指すは東大か?いや、まぁ俺には関係ない話だよな。男子校だから、学校に行く楽しみないだろーよ。


今朝の、丸い夫婦はハンカチどこかに入れれたんだろーか?多分、公園から三軒目の環矢さんの家だろー。


 丸いと言えば、いつもコストコで大量に買い物して帰るみたいで、家の前で車停めて一生懸命食料を家の中に運んでいるお宅、確かここ、川南さんか。60代位か?まじで、大きいよな、身体が。環矢さんの夫婦よりもデカいよな。多分、いや、似たり寄ったりか?


 しかし、目立つんだよな。


 オカンと姉貴にしっかり注意しておかないとな。


 姉貴なんてこの前も、真夜中にカップラーメン食ってその後にまだ腹減ったみたいで再々階下に降りてなんか持って上がってきていたぞ?


 カップラーメンの匂いが俺の部屋まで、空気を伝って漂ってきたし、あの豚骨の匂いが、それから袋みたいなもんをクチャクチャ言わして持って上がってきたし、たぶんあの音の感じだと、ポテトチップスかクリームパンかのどっちかだね。 ご飯食べる時テーブルに置いてあったし、間違いないね。


 オンナはよく別腹とか言うけど、俺的にはあれものすごい理解出来ないんだよな。姉貴がその言葉使う度にはぁー?とかって思うんだよな。


 腹いっぱい食ったとき、もう腹は満たされていて、胃袋の中に別の袋が入り込む隙間はできねーんだよな。


 まっ、姉貴やオカンが、今以上に大きくなったことで、俺自身にそんな被害が出るわけでもないしな

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