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ドロップド・ハンカチーフ  作者: 大和香織子
ドロップドハンカチーフ2 第一章 進級
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12

「オカン、このサーモンのサラダのドレッシングは?」

「え?出してない?冷蔵庫の中にあるでしょう?カルパッチョ用のやつが」


 お~。あった。これな、このドレッシングうまいよな~そう思いながら、サラダの上にかける。


 なぜかこれを見るとくるくる寿司を思い出す。食いたい。オトンが海外に行ってから、数えるほどしか食っていない。


 まぁ運転する人がいないよな。いや、オカンも免許持っているが、変わった所には行きたくないみたいだしさ、回転寿司混んでるから停めにくい所に誘導されたら困るとか言ってたしな。


 うわ、次は俺がバイクで連れて行く番か?ん?いや待てよ?姉貴車買ったとか言っていたよな。って、事は姉貴が運転する車で行くのか……。


 うっわー。マジありえねー。姉貴の運転する車なんかに乗ったら、命がいくらあっても足んねーよ。

 その時、ガチャンとドアが開き、姉貴が居間に入ってきた。


 噂をすればなんとやら……?


「ねぇ亮介、これコピーしてくんない?」

「何だよ、姉ちゃん大学生になってもコピー一つ出来ないのかよ」


「うっるさいわね、機械は苦手なのよ。いいの、千絵と結婚する人は機械に詳しい人に決まってるんだから無理して覚えなくってもいいの」

「なんだよ、そんな相手もいないくせに、大体結婚してくれる人なんているのかよ」


そう言った途端……空気が一瞬にして変わったのが分かる。凍りついていて、そして、嵐の前の静けさと言う感じだ。


「あん?相手もいないくせに?それから結婚してくれる人なんているか?ですって?なんだお前はこのヤローてめぇこのヤロー」その後の俺の姿は言うまでもなく小さく小さくなり続けて、そこの家の中で灰と化した。


 朝起きるなりオカンが黄色いハンカチを俺の顔の方に飛ばして来た。


「入っていたわよ、もう、何回起こしても起きないんだから」


「あぁごめん、起きるからなんだよコレは」右手で顔の上に乗っかっっている物を落とす。黄色いハンカチ?


チクショー。目覚めてすぐ見るものが黄色いハンカチとはなー。まっ、黄色い分マシか。赤いハンカチよりはいいだろう。


 眠い目をこすりながら起き上がり、顔を洗ってすぐに家を出てC街へと向かう。


 地図なんてものは、持ってきていないが、ここだという家に入れようと先へ先へと進んで行く、しかし、朝だからか人通りもあって、なかなか入れれそうな家が見つけられず、朝のくそ忙しい時間だと言うのに、ついには一番奥のお金持ちの家の所まで来てしまった。


 坂道を上ってきたが、歩きだからいいものの自転車では来れないな、等と一人思いながら。


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