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ドロップド・ハンカチーフ  作者: 大和香織子
ドロップドハンカチーフ2 第一章 進級
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 ズーマーは安いけど、せっかく買うんならもっと気に入ったものがいいよな。

 二輪だと後ろに、川嶋さん乗せれるんだけど、原付は乗せらんねーしな。

 いや、でも今すぐ欲しいしさ、JOGとか無難だよな。

 うーん、予算は15万くらいか?


「ねぇ、せきたに君?何見てるの」

「セキヤですけど…・・・?」右隣の席の女の子に自分の正しい読み方を教える。


「あーごめん、セキヤくん」

「いや、よく間違われるから」

「そーなんだ、で、関谷君もしかして、さっきからバイク調べてる?」

「え?なんでわかったの?」


「やっぱりー?いや、私もバイクの免許欲しいなって思ってるからさ、さっきホンダのJOG見てなかった?」

「あ、そう、当たり」

「でしょー?免許持ってるんだ?」

「いや、免許はこれから取りに行くつもり」


「えー?どっち二輪?でもうちらの年だと大型二輪はとれないから普通二輪とかだよねー」

 へぇ、女の子なのによくそんなに詳しく知っているな、と感心する。


「いや、原付をとりあえず取ろうかと考え中、えーっと・・・・・・」そう言って名前を確認する。


「あ、私、国神匡子くにがみきょうこね」

「国神さんは、もしかして二輪取るの?」

「うん、欲しいなって思ってる。原付じゃなくて二輪がいいなーって思ってる」

 少し派手そうな感じはあるけど、別に男っぽくないし、最近の女子高生って感じなだけに、その言葉がすごく意外に聞こえた。


「そうなんだ、乗りたい車種とかあるんだ?」

「絶対にフォルツァがいい」

「ホンダの?」


「そう、あれマジ座り心地いいし、女の私が乗ったら超カッコよくない?とか思ってさー」

「大音量で音楽流せるところとかも、いいよな」


「そうそう、マジでめっちゃ早く乗りたいわぁ」

 国神さんは、そう言いながら椅子の前方部分を床から離し、全身を後ろに仰け反るようにした。

 パ、パパパパンツが見えそうだ。

 そこに目が行きそうになるのを必死に逸らしながら、携帯の画面を見つめる。


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