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ドロップド・ハンカチーフ  作者: 大和香織子
第二章 進展
61/149

28

だよな。そうだよな。ここで逃げたら男が廃るよな。

よしっ行け!俺は覚悟を決めて、ネックレスが並べられているところまで行く。

 女性店員が近づいくる。

「いらっしゃいませ、なにかお探しですか?」キタキタキタ―ッ。

 まだ全然見れていないのに声を掛けられた俺は、逃げ腰になる。

「いや、その……、プレゼントを……。おすすめとかって、ありますか?」

「どんな方ですか?」

「同い年で、名前は川嶋かなさんで……」


「えぇ、そうなんですね。雰囲気とか教えて頂けますか?」店員さんはそう言いながらニッコリと笑っている。


 ハッ、しまった。

 オイオイオイ、名前なんか教えてどうするんだよ、店員さんに名前話したところで全く意味ねーじゃないか。俺は恥ずかしさのあまり、逃げてしまいたくなる。こういう所なんて、今まで一度も入ったことねーんだから仕方ねーよな。


「雰囲気……そうですね、明るくて顔だちが整っていて、タラコ唇なんですけど赤色とか似合いそうな感じです」うっわ。俺完全にテンパってるわ。


「そうなんですね、予算は大体どのくらいでしょうか?」

「二万位と思っていますが……。ありますかね?」

「それでしたら、こちらなんていかがでしょう?」そう言って店員さんが薔薇のモチーフのネックレスを持ってきた。

 おぉ、割と可愛い、多分。そんな気がする。

「いいですね」


「他にも、こういったハート形のものもあって、こちらはペアの物になっていて、お揃いでつけれるようになっていて、こうやって二つをくっつけると♡になるんです」

「おぉそれもいいですね、で値段は?」

「えぇっと、薔薇の方が17800円でハートの方が16900円です」

 

おぉ、予算内だ。しかし、どちらがいいんだ?

「すみません、女の人から見てどちらがいいですかね?」考えたところで答えが出るわけじゃないんだから聞くしかない。


「そうですねぇ、うーん。私、個人的には薔薇の方が好きですが、こちらのハート型も人気ですよ。クリスマスプレゼントで二つ一緒に買って行かれる方も多いです。一緒につけれるというのがいいですよね」


 そうかー、川嶋さんと一緒につけるんだ?そんで二人だけの秘密みたいな?幸せだな俺。笑


 でも待てよ?そういうのって付き合ってる人がやるもんだよな?ん?俺と川嶋さん付き合ってねーじゃねーかよ。

 てことは、お揃いも何もないどころか、ハート形のペンダントなんか買って、え?なにか勘違いしてない?とかって勘違い男って言われた時にはどうするんだよ?

「あ、薔薇の方にします。それください」決まりだな。

「かしこまりました、すぐにお包み致しますので少々お時間いただけますか?」

「はい」


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