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ドロップド・ハンカチーフ  作者: 大和香織子
第二章 進展
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12

更に言うと、今日が発売日だって知らなかったんだよ。


すごくね?まぁこの写真集を買ったことを家族に知られるのはちょっと……。


 なので俺はどうやって買ったことすらばれないように自分の家に運んだかと言うと、一回玄関の横に置いておいて中に入るだろう?

 そんで俺は帰りましたよ~、と家族にアピールした後に二階の自分の部屋に行き、学校鞄を持って降りて玄関先に置いておいて、


 「あ、そうだそういえば自転車に鍵するのを忘れた」とかなんとか独り言を言ってだなぁ、玄関先に出てさっきの本を鞄の中に入れてから、堂々と家に入るってわけだよ~。いや~今回もうまくいったぜ、ふぅ~。


 (コソコソせずに堂々と中に持っては入れだって?いや、普段鞄とか持ち歩かないからさー何か買ったら、「姉貴とかに必ず何買ったの?見せてー?」とかって言ってくるんだよ。オカンにも聞いたりするからなぁ、あの魔女は。だからしかたないんです涙)


 そんでさー、ご飯食って風呂入って、チラリと教科書パラりと読んでから玖珂らむこちゃんの本開いたらわけだよ、そしたらサイン入りのポストカードが入ってるんだよ?飾りたいよな~?部屋のどこかに、だけどそんなこと出来ねーんだよ、絶対それ貼ってあるの見つけたらからかうやつがいるからさーこの家にはさ。だからね俺は鍵付きの机の引き出しの中に収めたさ。まぁこの場所には他にも俺の宝物が入っているんだが、ぐふふふふ。

 まぁ中に何が入っているかは内緒だよ。(え?誰も興味ないって?)


 この三週間―――俺はゲームソフトを一つ全クリした――、次回のゲームを探しに行き楽しそうなのを購入し自宅に帰る。相変わらず背中に視線を感じる日々ではあったが、俺はそんなことにもすっかり慣れてきた。


「ただいまー」

「亮介―待ってたのよ」オカンは青ざめた顔をしながら俺の手を強引に引っ張る。

「なんなんだよ」

部屋の中に入ると、オカンは「亮介いますぐ郵便ポスト壊してちょうだい」オカンは早口で捲し立てる。


「えっと……?なんで急に?」


「お母さん買い物に行こうとしたのよ。そしたら、どこの家の人しか分からないけど家の前に居たのよ。お母さん驚いて見てたら、その人ポストに何か入れたのよ、お母さんびっくりしちゃって、もしかしてハンカチが入れられたのかもしれないと思って、すぐにポストを開いたのよ、そしたらハンカチが入れてあったからお母さんその人を走って追いかけて背中叩いたのよ……」


「……」

「そしたら、その人なんで追いかけるんですか?ってお母さんの事を凄い睨みながら言ったのよ。お母さんなんだか怖くなって家に帰ったんだけど、あの驚き方は尋常じゃなかったわよ、だから、お願いこの前はポスト無くすって言った貴方の意見に賛成してあげられなかったけど、お願いポスト無くしちゃいましょう?」

「でも無くすったって俺一人の力ではどうしようもないよ」


「そうよね、何かいい考えはないかしら?」

「うーん、サイズ測ってバイト先でなにかいい物買ってくるよ」

「ホント?助かるわ」


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