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ドロップド・ハンカチーフ  作者: 大和香織子
第二章 進展
36/149

3

「えーマジで?ごめんねすぐ行くね」


「あーいいよ急がなくても」

「うん、ありがとう、それじゃ、あとでね」


 いやあー。なんかあれだな、おい。学校以外で会うとなるとなんだか緊張するんだが……。


 俺こんなんで今日一日大丈夫なのか?


 「着いたよー今から私も本屋に行くから前のベンチで待ってて!」というメールが送られてきた。


「わかった」そう返信をして、読みかけていた本を丁寧に収めてからすぐに待ち合わせ場所まで俺は速足でむかった。

 良かった、まだ来てない。

「関谷くーん」振り向くとワンピース姿の川嶋さんが笑顔で手を振っていた。


 か、か、かかかかかかかか超絶可愛い~。

 思わず顔がニヤつく。

「ごめーんお待たせー」俺は鼻血が垂れそうな思いで川嶋さんを見る。

「なんかいつもと違うね?」

「変かな?」

「変じゃないよ、いいよ」

「え~ほんとに?いつも眼鏡してるけど、コンタクトにしてみたの」


 あぁあそうだ、それでなんか雰囲気が全然違うんだ。髪の毛もいつも結んでるのに今日は下してる。ふんがふんが。しかもいい匂いすんな。


「お~い、関谷君どうしたの?ぼ~っとしちゃって」

「ああ、いや別に。行こうか」いづこまでも……。

 という気分な俺(心の中はいつも正直さ~俺は)


「ねー少し見て回らない?」

「うん」

川嶋さんはそういうと、嬉しそうに歩き始める。

色々なショップに入っては、「これ似合うかなぁ?」といって自分に当てている。

 あーなんて幸せ。そう、今、俺は完全にリア充だ!ぐふふふ。


 一通り見終わるまで結構な時間がかかったが、お昼の時間になる、ということで勉強を開始した。


「ここまでやったらお昼にしようか」

「はーい、関谷先生」そう言う川嶋さんはなんて可愛いんだろうと思いながら俺は勉強を進めて行った。


「え~この問題どうやってやるんだっけ?」

「これは、公式に当てはめていけばいいんだよ。この公式は覚えてね」

「は~い」

 川嶋さん大丈夫かな、と思いつつ予定していたとこまでは終わったし、昼ご飯を選びにいくことにした。

 「川嶋さん何が食べたい?」

 

「うーん何にしようかなぁ~悩んじゃうよね、関谷君は何食べるの?」

「うーん俺は、かつ丼にするよ」

「じゃあ私も」


「かつ丼二つください」俺は二人分注文した。

「あと、ジュースも2つ、川嶋さん何飲む?」

「うーん、私オレンジジュース」

「じゃ、オレンジジュースとコーラ一つ」

「1670円になります」という店員に、財布を出してお金を払おうとする川嶋さんに俺は「今日は俺が奢るから」そう言って俺は二人分支払った。


ひゅ~俺ってかっこいい!やったぜ~!


「えーマジで?ありがとう。本当にありがとうね」嬉しそうにする川嶋さんがますます可愛い。

  かつ丼を食いながら俺は思ったね、いや、マジこれいけるんじゃないのかと。もしかしてこれから俺たちの春がやってくる~みたいな感いじゃね?この感じ。

 だってさ、俺の目の前にはゲームで出てくる女じゃなくてさ、今リアルな女性が目の前にいて、こうして二人で向き合って食ってるんだぜ?ぐふふふ。

「お~い関谷君?」

「あ、何?」


「ねぇ関谷君ってさー、たまにヘラヘラしながら別世界に行ってるときあるよね?」


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