1
第二章 進展
「関谷君、英語99点だったでしょう?」川嶋さんが分かってるのよと言わんばかりに自信満々の顔をして聞いてくる。
「なんで知ってんの」
「やっぱり~この前英語の金田先生がこのクラスで一位は99点って言ってたからさ、絶対関谷君だと思ったんだよね。関谷君ってさ、本当いつ勉強してるの?前も聞いたけどさ。だって学校終わったらアルバイトで、帰るころには23時とかだったりでしょう?あ、分かった、すっごい早起きなんだ?」
なんだそれと思いながらも「いや、普通に7時少し前とか7時半とかだけど……」と答える俺。
「何それー、じゃあ休みの日に黙々と勉強してるんでしょう?」
「いやー、そうでもないよ、因みに川嶋さんは英語何点だったの?」
「えっ、私?それは秘密」そう言って川嶋さんはふーんと視線を遠くの方に逸らした。
「なんだよそれ、ズルッ」
「えーだって、関谷君の点数はいいじゃん。だから私の点数の低さ知られたら呆れられるに決まってるじゃない」
「そんなことないって。で、何点?」
「えー教えない」
「絶対呆れないから」
「えー絶対?」川嶋さんはそういいながら身体がもじもじと動いていた。
「うん約束する」
「じゃあ絶対秘密だよ?」そう言うと、俺の耳に手を当てて小さな声で「57点」と囁くようにいった。
顔が赤くなる俺。
「……」
「ほら、やっぱり呆れたんでしょう?」
「いやそんなことないってー」まぁ確かに良い点数ではないとは思いながらも否定した。
「本当?良かったーねぇねぇ今度さ、勉強教えてもらえないかな?」
「ん?」
「ダメかな?土日とかで空いてる日とかでも」
そう言いながら、川嶋さんは恥ずかしそうにしている。可愛いぞなんだか。
「まぁいいけど、でもどこで?」
「モール内にあるフードコートとかどうかな?私の家とかでもいいんだけど、両親とかいるから気が散るし、モール内なら買い物もできるしね」
「うんまぁいいけど」
「え?もしかして関谷君そんなに乗り気じゃない感じ?」
「いや、そんなことないけど」
「じゃ、今週早速どう?」
「今週?あ、今週はバイトが二日連続で入ってるわ」
「えーすっごく楽しみなのに?それ本当に行かなきゃだめ?」そう言いながら俺を見る川嶋さんの顔を見ると、思わず
「はい、分かりました」と答えてしまうのであった。
オーイ姉貴~こんな性格になったのは姉貴のせいだぞー!おりゃーあー
(亮介なんだって?私が今いないからっていい気になってんじゃないわよ~ベシッby美しい姉)




