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ドロップド・ハンカチーフ  作者: 大和香織子
第一章 始業
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で、俺おもったんだが、コーンポタージュ渡したことって結構あれポイント高いだろ?

 俺なかなかやるじゃんとかいろいろ考えたら仕事なんかあっという間に終わったぜー。


 家に帰り、ポストまぁ確認するんだが、何も入ってなかったし俺は先に風呂に入ったんだが、ご飯食べようと居間に行ったら、

「亮介~前後ろ逆」って姉貴が言い出したんだわ。で、自分の来ている服よく見てみたら後ろ前逆にして着ていたわけだ…なんか首元が苦しいと思ってはいたんだが……、

「も~亮介ダッセ~」とかって姉貴のやつ大声で言いやがった。


「なんだと?よくも笑ったな?その口の利き方はなんだ?」って、そうやって大きな声に出して言いたいのだが、人生そんなに甘くはない。


 やっぱり心の中で声を出さずにそうやって思うだけしか俺には出来るはずはない。(情けない?それ、一番俺が良く分かってる。チーン)

 

  俺の頭の中は、川嶋さんの事でいっぱいで、その日はゲームはやらずに真っ暗な部屋で寝る。ムラムラムラ。


 翌日、川嶋さんが俺の席まで来て、「昨日はコーンポタージュごちそうさま」と言いながらニコッと笑った。


「おぉ……」

「今日は小テストだね」

「え?マジで?」

「昨日、言ってたじゃーん。あ、もしかして授業中寝てた?」


「うんまぁ眠くてさ、で、どこが出るんだっけ?」

「えっとねぇ33ページから40ページだよ」

「分かった、ありがとう」俺は、そう言って数学の教科書を開いてザッと確認した。

 あぶねっ、川嶋さんに聞いてなかったらアウトだったかも。俺は公式をパズルのピースの様にバラバラにして頭に入れ込む。

 その後の小テストでは、2、3問怪しいが、他は大体出来たと思う。


その後、その小テストが返ってきて点数を見ると98点だった。惜しい、あと二点足りねぇ。


 この頃ポストを覗いてもハンカチや白い紙が入っていることもなく、俺としては実に平和というか。


 まっ、これが普通なんだけどな……。と油断していた俺だったのだが、またポストに赤いハンカチが入っていたのであった。


 油断したころに敵はやってくる。入れられたハンカチに、なんとも言えない憤りを感じる。


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