表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドロップド・ハンカチーフ  作者: 大和香織子
第一章 始業
24/149

24

ハァハァ___。


 良かった、だれも来ていないようだ。

「亮介~今誰と話していたの~?」オカンが菜箸を持ったまま玄関まで迎えにくる。


「いや、知らない人に挨拶されただけ……」

「あらそうなの。亮介の話声が聞こえて来たからお母さんてっきりお友達が来たのかと思ったのよ」そう言って菜箸を空中でクルクル回す。


「ふ~ん、そう」

「そんなに息切らしてどこまで行ったのよ~コーラでも飲む?」

「ちょっと、運動しようと思って。コーラ飲むよ」

「じゃあ手洗いうがいして来なさいね」なんだよ俺は小学生の子供かよ。

 ガラガラ-ペッ 文句を言いながらも一応はそうだな手洗いとうがいをする俺ちゃん。


「コーラここにおいとくわね。肉まんがあるわよ?食べる?」

「もちろん、食う。っていうか俺お昼ご飯食ってないんだけど」

「あらさっき外に行ったときに何か買って食べたんじゃなかったの」

「食ってないよ」

「じゃあ作るから待ってなさい」


 俺は、川島さんとのことを想像していた。あの時俺がショッピングモールとか嘘言わないでゲームショップに行くって言っていたら、二人きりでご飯でも食いに行っていたのだろうか。それでそのあと二人でアイス食べながら……。


「亮介~ちょっと亮介~」

「あ、何?」

「何ボケっとしているの、だからオムライスで良いかって聞いているじゃない」


「やったーオムライス。もちろんいいに決まってんじゃん。俺3倍盛りで」

「まったく亮介は男のくせに食いしん坊なんだからこの子は本当に」


「オカン出来たら呼んでくれ、俺二階にいるから」

 そういって俺は二階に上がり、部屋を閉めてさっきの事を考えていた。(あ、今、川嶋さんのことを俺が想像すると思っただろ?残念)西津さんあの人も全力疾走だといっていたよな。


 それは詰まりポストに入れてから自分の家に帰るまで捕まらないようにって意味か?


 だとすればお年寄りを狙えばよくね~?

 でもまだ引っ越してきたばかりだし、どんな人が住んでいるのか全く知らねーよな。


 調べてみるか?でもどうやって…一件一件調べてみるか?インターホン鳴らして聞き込み……っていうのは、怪しすぎるしな。

 

 ずっと見張る、ていうのも無理だろ。


「亮介~オムライス出来たわよ~」

 オカンのそのを聞いて、下まで転がり落ちるかのようなスピードで階段を駆け下りる。


 椅子に座り目の前のオムライスを見て、ケチャップの蓋を開けて自分の似顔絵を描いてみる。


 おー、目がただの棒になってしまったが、俺にしては上出来だろう。

「いただっきまーす」そういって俺はナイフでオムライスを切ってフォークで口の中に運ぶ。うんまー。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ