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ドロップド・ハンカチーフ  作者: 大和香織子
第二章 上進
145/149

29

姉貴は嬉しそうにガクトさんと電話で話しているのを見て、オトンはムッとした顔をしていたが、姉貴はそんな事おかまいなしに、電話をしたりメールをしたりしているようだった。


 きっとオトンは、今回日本へ帰ってきて、失恋したような気分になったのではないだろうかと思ってみる。が、俺はまだ高校生だし、親心なんてものはやっぱり分からない。


翌日、姉貴がポストに入ってたと言って、四つ折りにされた白い手紙を俺の所まで持ってきた。


 『夢路家に黄色いハンカチを入れてあったがポイントが5点を超えたため、タヒにました_。黄色いハンカチが紛失しました。紛失させた家はこれよりマイナス5点とします。夢路家はマイナスポイントが10点以上となったため、タヒにました_。』

 

 ん?これは一体どういう事なんだろうか?なぜタヒにました_と二度も書いてあるんだ?


 二度書いてあるという事はつまり二人亡くなったということなのか?

 地図を見て確認する、夢路さんはと……、あぁビルみたいな家のところか?


 俺は急いで洋服に着替えて、C町まで確認しに行く事にした。

 C町がザワザワしていることもなく、昨日までと同じ風景がそこには広がっていた。

  犬の散歩をしている人や、買い物袋を持っている人、自動販売機でジュースを買っている人、どの人をみても平和そうで穏やかな風が流れているようだった。


 そして俺は夢路さんのお宅の前まで行ってみたが、外からは何も見えず、ただ家じゅうがカーテンで閉められているのは分かった。

 中に人がいるかどうかまでは分からなかった。


 しかし、一階の出窓の方に何か文字が書かれているのを見つけた。

 黒い文字だ。目を細めて見てみるがなんて書いてあるのか、こんなに離れていては見えるわけもなく、気になって携帯をいじりながら少しずつ近寄った。


 ねひ?

 なんだろう?

 あ、死ねって書いてあるのか。家の中から書いたのだろう、その文字は外から見ると反対になって見えていた。


 こんな所に落書きするなんて普通じゃないよな?何て感じながら俺はその家を通り過ぎて坂道をあがりお金持ちの家の方まで上っていった。


 黄色いハンカチが紛失した場合、その黄色いハンカチはどこから調達されるのだろうか?


 今回黄色いハンカチが、赤いハンカチの時の様に増やされていないのがまだ救いではあるが、一枚しかないというのも困るものなのかもしれない等と考えた。

 そして暴力団の家の前を通り過ぎる。


 玄関の前に黒いセダンが停まっていて、恐ろしいので、その家の前ではなく反対側をとおりガクトさんのビルの方へと歩いた。


 するとガクトさんが、ビルから調度出てきて、そして歩いて坂道を下り始める姿が見えた。


 あれ?歩きでどこに行くんだろう?俺はガクトさんの後ろを追いかけるようにして歩いた。


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