表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドロップド・ハンカチーフ  作者: 大和香織子
第二章 上進
140/149

24

 ガクトさんにそう言われると迫力があり、その場の雰囲気に流されるようにして、「はい」と言って車に乗せてもらうことにした。


「君がこの車に乗ってるって知ったら、千絵は驚くだろうね」ガクトさんはそう言ってフフッと笑った。

その顔は男である俺から見てもカッコいいと感じてしまう。


「はい多分少し焦ると思います」何となく緊張感。なんだこれ、じわじわくる。

「焦るの?ところでさっきの子は名前しかいってなかったけど、彼女?」

「いや~彼女かどうかはまだ」


「そうなんだ。でも告白位はしたんだろ?」

「いえ」まだ、じわじわくる。

「亮介君、好きなら男からガンガン攻めないとあんなに素敵な子すぐに他の人にとられるよ」

「……まぁそうなんですけど」うわーこういう俺の苦手な分野でこういう風に責められると、上手く返すことが出来ない。だれか~マニュアル早く~。


「千絵は家ではどんな感じで過ごしてるの?」

……う~ん、困った。こういう時なんて答えたらいいんだろう?本性を打ち明けてもいいもなのか?家では鬼で上から目線で性格悪くてってそうやって言っていいのか?しかし、しかしだよ?

 もしそんな事を伝えて二人が別れたりしたら俺のせいになるじゃないか。そんな恐ろしい事、やっぱり俺には出来ない。


「そうですね……お風呂入ってます」

「確かに、千絵っていつも風呂入ってるイメージあるね」


「はい追い焚きしないと、俺が入る頃には温くてですね」

「はは、そうなんだ長い時間入ってるんだ、亮介君もタコ入道の様にならないよいにしないとな」


「そうなんっすよ、ダイエットとか言ってますけど、夜中にポテトチップスとか食ってたりするんでそんなに効果はありませんけどね」あれ?おかしい言葉がどんどん湧き出てくるように出てくるんだが。なんだ?意外と気さくな人じゃねえか。


「そうなんだポテトチップスを夜中に?」

「そうなんスよ~そんでその後にシュークリーム食ってみたりとか俺にはよく分からんスよ」


 そんな話をしているうちにあっという間に家についた。

 路肩に車を停めて二人で家まで歩き「ただいま」と玄関を開けて中に入った。


 ガクトさんがいるのでポストを確認することはしないでおくことにした。


「オカ~ンお客さんだよ」


「はいは~い、お帰り~」と言って菜箸を持ったオカンが玄関まで出迎えにやってきた。


「あら、鼻島さんじゃない?二人一緒で。千絵~」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ