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ドロップド・ハンカチーフ  作者: 大和香織子
第二章 上進
126/149

10

「まぁそんなに怒らないでもいいじゃん?帰りに牛乳でも買ってくるからそれを飲んでカルシウム補充してイライラを追っ払いなさい」そう言うと姉貴は自分の部屋へと入ってバタンとドアを閉めた。


 まったく調子がいいんだから。

 まぁ無事ならよかったと思え!俺。はぁ。

 黄色いハンカチを持って、今上がって来た階段を下りて、C町へと向かいゴミ屋敷に入れることにした。

 朝からものすごい異臭で俺を迎えた。


 数日後、ポストを開けると白い手紙が入っていた。


『中代谷家と目立家と西屋家のマイナスポイントが計5点を超えた為、タヒにました_。さぁがんばりましょう』


そして、そのすぐ後ろにもう一枚紙が重ねてあった。


 ん?なんだこれ?


『黄色い手紙を封筒の中にいれることは、これよりマイナスポイント4点とします。一週間以内にポストを直さない方は、追加でマイナスポイント4点です。さぁ、みなさんがんばりましょう』


……ん?どういうこと?


書いてある意味が分からずもう一度手紙を読み直した。


 黄色い手紙を封筒にいれること?つまり今回こんなに多くの被害者が出たという事は、黄色いハンカチが入れてある事を分かりにくくするために誰かが封筒にハンカチを入れて、それに気が付かず過ぎていったとか、もしかしたらほんとうに気が付かずにそのまま捨てていたりとか?そういうことだろうか?


 いや、考えたな~それは。俺の所に回ってこなかったのが幸か不幸か?少しだけ見たかった気もしないことはないのだが。


 死人が出ているというのに不謹慎ながら感心してしまった。ここの団地の時には皆が揃いに揃ってポストを潰したが,C町では封筒に入れて気づかれにくくしようとするなんて傑作だな。


 部屋に入り、地図を取り出し家の場所を確認する。


 えーっと中代さんっていったら、そうゴミ屋敷の隣の家で築30年ぐらいのところのな。


 で、目立さんは一番左の一番下のいえで緑色の屋根で築40年くらいのとこか。ここの人どんな人が住んでいるのかそういえば見たことがないな。それから西屋さん、西と言う名前を見ると、西津さんをどうしても思い出してしまうが、まぁそんな事をいっても別人だ。


 西屋さんの家は……えーっと、あぁ私立高校の家の人の隣の家か。あれ?ここって確かまだ新築だったよな?

 しかもなんか宗教臭いとこだよな。お祈りみたいな事をしている声が聞こえたよな幸せになろうとかなんかセブン様セブン様~(※「一家」参照)みたいに言ってたとこだよな。 神であるセブン様は助けてくれなかったのかよ。


いかんいかん、本当に不謹慎すぎるな、俺。人が亡くなったんだぞ?尊い命が一つ消えたというのに。



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