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だがしかし、ひとつ失敗を繰り返してしまった。オカンに夕飯は要らないという事を伝えるのを忘れてしまっていた俺は、風呂から出ると四度目の食事をとることになった。
「どうだったの試験。学校の先生から電話があったわよ?」
「マジで?なんて答えたの?受かったって言ってくれてんだろ?」
「なんで腹痛で休んでいるっているのにそんな話をしなくちゃいけないのよ」
「なんだ、そっちか。俺はてっきりレイマンの先生からかと思った」
「今寝ていますけど明日には行けそうですってそう伝えたわよ」
「そっか、サンキューなオカン。で合格したから」
「へ~すぐに連絡するかと思ったけど、かかってこないから落ちたのかとおもってたけど、よかったじゃないの」
「オカンそんな事思ってたのか、俺様が落ちるわけないじゃーん。ところで土曜日バイク買いに行くからオカンも一緒についてきてくれ」
「余程の自信があるのね。で、お金はあるの?」
「その心配はしなくていいから。全部俺が出すから後の手続きとか頼みますわー」
「はいはい、でもバイクなんて気をつけなさいよ」
「へ~い」
そして、数週間後。
俺の目の前に俺専用のマイバイクがある。夢が現実になるという嬉しさで今にも宇宙まで飛び跳ねてしまいそうな程に浮かれた。
熱い日差しを横切るようにして風を切りながらバイクで走る俺。
そして自分に完全に酔ってしまう俺。な~んてカッコイイんだろうか。
そして川嶋さんのところに、その姿――バイクに乗った俺――を見せに向かった。
「え、なに?すごい。わぁ関谷君すごいカッコイイ。本当にカッコイイ~」川嶋さんはまるで自分の事かのように喜んでくれている。
「一緒に乗れないのが残念だけど、二人の時は自転車でいく様にするから」
「え~いいよ、そんな事気にしないでも。もうどんどん乗って。私関谷君がバイク乗り回すのを見るのすごい好きだから」
デレン。なんて嬉しい事を言ってくれるのだろうか。




