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ドロップド・ハンカチーフ  作者: 大和香織子
第二章 上進
119/149

3

『都民谷家のマイナスポイントが計5点を超えた為、タヒにました_。さぁがんばりましょう』

 手紙を見た後にすぐに自家製の地図で場所を確認する。やっぱり。この前ポストに入れた家。っていう事はあの美人三姉妹はこの家に住んでいるってことか?

不謹慎ながら宝物でも発見したかのような気持ちになった。


 もしかして俺が入れたハンカチのせいでマイナスポイントがたまってにしまったというのだろうか?


「オカン、白い紙だけだった?ハンカチ届いていなかった?」

「ハンカチはなかったわよ、それと新聞が一緒に入っていたくらいで」


 そういえば、さっき慌てて言えの中に入ったせいでポストを見ていない。急いでポストを確認しに行く。


 あった。黄色いハンカチがピザの宅配の紙と一緒に入っていた。

 入っている様な気がしただけに、やっぱりなとそう思った。


 すぐにハンカチを持っていく、今日はどこにいれようか。日曜日だからかいつもよりも歩いている人が多いような気がした。


 一番初めに死人が出た城田さんの家の隣の家の60代ぐらいのおばさんとその隣のいつも路上駐車している家の人でやっぱり60代ぐらいの人が調度お互いの家の境目あたりで話している声が聞こえてくる。


 「あそこの女ばかりの姉妹の家の人も大変よね、あんだけ娘がいても結局花嫁姿見られずに亡くなるとか、可哀想にね」


……黄色いハンカチを持っていると気が付いていないから俺が目の前を通り過ぎてもそんな話をつづけるのだろうか?まあA団地から来るのが見えたから警戒しないのかもしれないが。


 そこを通り過ぎ、ゴミ屋敷の方から坂道を上がって行った。どこにでもいるんだな噂好きなおばあさんというのは。


 そして赤いハンカチの犯人だった隣のおばさんを思い出すとなんだかムシャクシャしてきて、引き返してさっきのおばさんの家が見える所まで引き返した。

 あの二人のどちらかに黄色いハンカチをポストにいれるという制裁を与えようと思ったのだが、まだ話し込んでいる。いい時間なのにそんな話なんかして、と呆れかえる。


 まだまだ帰る気配もなさそうなので、ものすごい異臭が漂うゴミ屋敷の咲川さんのポストに入れることにした。


 ゴミ位きちんと捨てろよ!そう小さい声で吐き捨てて、そしてダッシュで家まで急いだ。


 この頃は少しずつ、この稚拙なゲームのコツが分かってきたような気がする。鍵を締めて今に行きそしてご飯を食べた。


 カツ丼は俺の大好物の一つだった。


 翌日から、高校の授業中ではほとんど学科試験の詰め込みをした。突然宛てられた時には、かなり焦ったが国神さんが小声で答えを教えてくれたお蔭でなんとかセーフだった。

 


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