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「その可能性は十分にありえるよな」
「分かった。私がうまくお母さんに説明して日中もポスト見張っておくように言うから、あんたも何かあったら絶対おしえなさいよ」そう言って姉貴は自分の部屋に戻った。
ポストに敏感になる日々が続いたが、特に何事もなく平穏に時が過ぎていった。
……やっぱり気のせいか。
俺は次の24時間全クリゲーム挑戦は、24時間では到底クリアできる量ではない事に気が付いて諦めていた。
ゲームに疲れてベットに横になって昼休憩に川嶋さんと話したことを思い出していた。
「ねー関谷君私のお兄ちゃんがね、私のいない間にどうやら連れ込んでいるみたいなのよ」
「ふーん、連れ込んでるって何を?」
「女の人だと思うの」
「まあ別にそんなに変わったことでもないんじゃない?俺なんか今の家に引っ越す前何か姉貴と一緒の部屋だったしさー」
「そうなんだ、引っ越したって最近?」
「うん、まぁ……」
「いいな~ご両親が家建てたとか?」
「うん、まぁね」
「え~じゃあ関谷君今出来たばかりの所に住んでいるわけ?」
「ま~一応ね」
「いいなぁ関谷君ってお金持ちの息子だったんだ」
「いや……別に金持ちかどうかは……まぁお金には困ってないとは思うけど……」
「ほらっ、そういうのをお金持ちって世間では言うのよ」
「どーかな」
「でさー私の話だけどね、ベットが汚れてんのよね。なんか白い物ついているしさーそれに明らかに私の物ではない明るい色の髪の毛が落ちてんのよね」
「白い物、って……」
それを聞いてよからぬ想像をしてしまったが、それを悟られたくない俺は必死にポーカーフェイスを保った。
「でしょー明らかに~だよね。なんだ、関谷君って経験済みだったんだぁ」
「いや……それは、どうかな……ハハハ……」
オイオイオイ、何て事を聞いてくるんだよ、そんな事があれば今頃俺の携帯には女のアドレスが沢山入っているはずだろう。
俺は携帯を手に取り、アドレス帳を開いた。
オトンオカン姉貴……友人3人……。
……だよね、何回見たって急に女の子のアドレスが増えているはずはないよな……。
「ねー関谷君アドレス教えてくれない?私のも教えるからさー」




