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目の前からあの美人三姉妹がこちらへと向かって歩いてきているのだ。こういう時の俺の見つける速さはピカイチだ。
ぜってー誰にも負けない(って自慢出来る事じゃないって?笑)どうする?どうする?どうしちゃう?ってことでポケットに手を入れたりなんかして少し目線を遠くに合わせて(勿論その中でしっかり三姉妹を追っている、当たり前だろ?)
そして今まさにすれ違った。
うわ~花が咲き乱れているようないい香りがふわっと一瞬で俺の全身を包み込む。薔薇の匂いか?
いい匂い~。そして、だいぶん距離が開いた事を背中で感じ取ってから、ゆっくりと振り返る。
おぉ~くびれた細長い足首!あんなものを、もっと間近で見られることがあれば祝杯ものだよな。
三人とも美人っていうのがすごいよな。
色々と妄想しているうちに、チンピラの家の方まで来てしまった。
いかんいかん、ここは危険区域の所じゃないか。急いで引き返し、赤い屋根の「都民谷さん」の所に黄色いハンカチを入れると、坂道を思いっきり走って下りた。
先ほどの三姉妹の姿をもう一度見ることは出来なかったのがいささか残念だった。
特に追いかけられるような事もなく、余裕で家に帰って鍵を締めた。
しかし、朝起きると黄色いハンカチがポストに入れてある事を、オカンから告げられた俺は、またか、と、げんなりしながら朝ご飯食べる前にC町へと向かい「柴雨さん」のポストに入れようとしたら、玄関のドアがバタンと急に開き、ビ驚いて見ていたら中から、紫色の髪の毛をしたものすごいパンクな格好をした20代か姉貴と同い年くらいの女性が出てきて、前に停めてある単車に乗ってブィィーっとかっこいい音をさせながら出かけて行った。
ここの家に単車がおいてあることは気がついてはいたが、まさか女性が乗っているだなんて思わなくて驚いた。
そういえば、あの髪の色の人見たことがあるな、そう思い記憶を辿るが、鮮明に蘇る程の記憶ではなかったらしく、それ以上は思い出すことが出来なかった。
さてどうするか。
ランニングとかでチラホラ人通りがある。もう少し先に進んだビルみたいな家「夢路さん」のお宅にいれるなり、ダダダっと走って家に帰り、そして無事に?朝食を食べて学校に向かった。
姉貴が今日も弁当を作ってくれたらしく、持っていくように命令された。弁当と言うか、完全に余りものだ。
「関谷君最近弁当じゃない?前はパンじゃなかったっけ?」国神さんが聞いてくる。
「うん家の余りものをちょっとね」
「え?なに節約とかでー?」
節約なんて、そういう取り方もあるのか、なんて感心してしまう俺。
「いいや、そんなんじゃなくて持ってけっていわれっからさ、それで持ってきてる感じ。まぁ確かに節約になるって言ったらそうかもね。でもこの弁当は、あれだよ、残飯処理って言う感じ」
(なんだって亮介?心を籠めて作っている料理が残飯だって?あん?帰ったら5千円の罰金よBY美しい姉・・・・・・ヒィッ)




