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『城田家に黄色いハンカチを入れてあったが26日が経過した為、タヒにました_。さぁがんばりましょう』
立ち上がり机の引き出しを開けて自家製の地図を出す。
城田、しろた……?C町入ってすぐそこの家じゃないか。あれ?ここの家たしか新築だったよな?
黄色いハンカチになってからも、ついに死者が出てしまったということは……。
これでイタズラじゃないことに周囲も気が付き始めてザワつくだろう。
「ねぇ、一体どういうこと?赤いハンカチの犯人は捕まったじゃない?それならなんで黄色いハンカチが届くのよ?他にも犯人がいるって事でしょう?亮介なにか知っているんじゃないの?」
オカンは俺を責める。そうやって俺を責められても困る。
「いや、知らないよ。知ってたらとっくに何とか動いてるはずだし、俺だって本当に何がどうなっているのか分からない」
「ねぇ、本当にこの団地内ではうちだけしか入ってないの?」
「多分な。でも確かではない。オカン聞いてきてよ」
「……無理に決まっているでしょう。色々あったもの。今更蒸し返せないわよ」
だよなー。俺もそう分かっていたのだが、予想通りの答えが返ってきたというわけだ。
「ま、逃げれないなら受けて立つしかないないだろ?」
「うわ~。なに?そのカッコつけ方。超ダサッ」パジャマ姿のまま姉貴が部屋に入ってきて壁にもたれ掛ってそう言った。
「千絵ちゃん」オカンが振り返って言った。
「もうこんな明け方から二人ともうるさいんだから」
「ごめんなさいね朝ご飯食べるでしょう?今作るからね」
う~ん、オカンを見ていていつも思うんだが、オカンは姉貴に甘いよな?俺の時と態度が違うって言うかさ。
う~ん、あ、きっとあれだな、オカンもあの魔女の口には勝てれないとか、そういうことだろう?
いや、オカンが昔言っていた俺は橋の下から拾われた説、あれ本当だな。
「なに?亮介人の顔を可哀相な人でも見ているかのよう見て来てさー」姉貴の鋭い質問にビクつく俺。ヒィ……。
もしかして思考が、外にダダ漏れ……?
いや姉貴が心を読み取っただけのことか……?魔女だもんな。
「まぁ先にご飯にしちゃいましょう?下りて来なさいね?」オカンはそう言うと、バタバタとスリッパで音を立てながら台所へと下りて行った。
デジタル時計の数字は5時29分を指している。
布団にもぐり目を閉じもう一度寝る。こんなに早く起こされたら二度寝に限るだろう?
俺が朝ご飯を食べる頃には、姉貴は既に家を出ていた。
ツナ入りマヨ卵焼きにケチャップをかけて頬張る。




