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モブを愛した私は愚かにも人生を3回やり直す  作者: 咲倉 未来
Second Attack

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7/38

1.納得できない

ブックマークしてくれた方、評価を入れて下さった方、ありがとうございます。

 真っ白な髪に真っ白なワンピースのような服を着た創世者様(そうせいしゃさま)は、疲弊(ひへい)していた。


「だって、納得できないの!」


 乙女ゲームのノーマルエンドを迎えたあと、ティアラはあっけなく死んだ。攻略キャラクターの婚約者候補全員にはめられて殺されたのだ。


「あの時、メイドを振り切ってラウル様に会いに行っていたら、絶対に結末は変わってたはずよ!」


 延々と同じ事を繰り返し叫ぶティアラを、創世者様(そうせいしゃさま)は早く来世(らいせ)に送りたい。けれど、そんな話しすらさせてもらえないほどティアラは(まく)し立てていた。


「なら、もう一度試してみればいい」


「できるの?!」


「自分が生まれ変わりたい世界と人物を強く思い浮べれば、その来世が始まるだろう」


 前世と同じものを選んでいけないルールは無いと言われて、ティアラはショックで固まった。


「おーい。大丈夫か? 大丈夫じゃないな。なら他の人間の相手をしてくる。お前はしばらく待っていろ」


「嫌よ」


「はぁ? ――って、私の服を掴むな! 伸びる! 首が絞まる! やめろ! おい、やめてくれ」


 立ち去ろうとする創世者様(そうせいしゃさま)の服にしがみつき、死んでも離さない形相でくらいつく。


「ひ、一人にしないで。ちょっと同じにするか迷っちゃったのよ。居るだけでいいの。聞いてくれるだけでいいから」


「だ――!!! 私だって忙しいんだ。お前だけの相手をしているわけじゃないんだよ」


「でも、でも、だって! 決められないんだもん」


「なら、新しいものを選べ」


「いや!」


「よし! それで決まりだ。さっさと思い浮かべろ。いいな。それでは良い来世を!」


「そんなぁぁぁぁぁ!」


 突き飛ばされて落ちた先の椅子にお尻がはまる。そのまま乗り物が動き出した。


「達者でなー。二度と来るなよー!」

 創世者様(そうせいしゃさま)が大きく手を振っている。そしてだんだん霞んでいった。どんどん光が強くなり、視界が真っ白になっていく。


(こ、今度こそは成就してみせるわ!)


 そうしてティアラは、再び世界へと旅立っていった。

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