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悪役令嬢、不登校を決める。~学校サボってダンジョン行きますわ!~  作者: サイリウム


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22/36

22:ギルドですわ!


はい、というわけで主人公ちゃんから逃げ出して数日後。


『帰還』のアイテムを使って転移する瞬間に聞こえちゃった『一緒に冒険』という単語から『あ、これ絶対付け回される奴じゃん』と考えた自身は、活動時間をお昼から夜へと移しました。早い話、彼女が絶対に寮へと帰っているだろう深夜帯にダンジョン攻略してやろうぜ! という感じです。


い、いやだってあの子。原作の性格からして一度決めたら絶対に退きませんし、目を付けられてしまった以上逃げるしかないんですよね。う、うぅ。折角不登校したのに、なんでこんな目に! 



(ま、まぁそろそろ1学期のイベントが始まりますし、そっちに意識が割かれるでしょうから……。)



じ、時間経過でいい感じに忘れてくれるまで、逃げ延びてやりますわッ!


というわけで夜番の護衛さんたちにお願いし、深夜に屋敷を出発する準備を整えていたのですが……。



「なんで護衛の皆さん土下座しているので?」


「「「大変申し訳ございませんッ!!!」」」


「い、いや別に気にしてないからいいのだけど……。」



えっとですね? まずご存じの通り、私からすれば主人公は避けるべき存在です。なにせこの世界の元となっている『すいらび』の世界では私を殺しうる相手ですし、私を殺しに来るストーリーそのものみたいな存在です。彼女に関わらないために不登校を決め込んだことからも、絶対に会いたくない存在でした。……2回も会っちゃってますけど。


けれどそんなこと護衛の皆様に説明できるわけがありませんので、その辺りはなぁなぁって感じでした。流石に彼らも私が『学校ズル休みしてダンジョンに来てる』って言うのは解っているので、王子とか知り合いの貴族が私の近くに接近して来れば、それを避けるように私を誘導してくれます。


ですがまぁその場合、平民な上一回私が助けに入っちゃって『友人判定』を受けた主人公は適応外になるわけで……。



「いやほんと、気にしなくていいのよスルーしちゃった件は。というか私がちゃんと言っておかなかったのが問題だったわけですし。」



護衛さんたちからすれば通したダメな奴通しちゃった! って感じでしょうが、こっちからすれば指示していないことを現場で真っ当に判断した結果、こうなったわけです。確かに趣味の時間が減っちゃったのは確かですが、普通に私の不手際。逆に謝ってもらうのが申し訳なくなるレベルです。これを機に良い感じに彼女から離れるのを手伝って頂けるだけで、私からすれば大助かりなんですわ。



「ですがッ!」


「ですがもクソもねぇですわ。私が良いって言うならいいのです。それとも私の決定にケチ付ける気? 違うでしょう? ほら夜番じゃない人はさっさとお酒でも飲んで寝る! 夜番の人は悪いけど護衛お願いね?」



あ、そうだグレタ。今からお休みの人たちが飲むいい感じのお酒、アルコールダメな人はあっためたミルクでも渡しておいて。もちろん費用はお屋敷からじゃなくて、わたくしのお財布からね? あとそのまま酒盛りする感じなら、貰い物の酒樽開けちゃってもいいって言っておいて。それから……、え、何で睨んでるの? あ、言葉遣い。


確かにクソとか言っちゃいましたわね、失礼しましたわ。今度から『おクソ』って言う事に……。ア、ゴメナソバセ。ふ、普通にちゃんとした言葉を使いますわ、うん。だから人殺せそうな目で睨まないで!



「未だお嬢様の本性はバレておりませんが、家の者がいる時は大いに崩れておいでです。何かの弾みで人前で崩してしまう可能性もありうるため、十分に注意してください。“わかりましたね”?」


「ア、ハイ。……ところで護衛のあの子、ベリアンヌはどうしたの? 今日顔見てないけど。」


「お嬢様と例の方のお話を聞き、気絶してからまだ戻ってきていません。」



あぁ、そういう。まぁあの子、昇天癖あるものね。


思い出してみれば確かに、『男装しながら身分を隠した令嬢と何でもないただの平民』の百合ラブストーリーとかあの子好きそうだもの。私がその起点になってるのはなんとも言えないけど、まぁ個々人の趣味は自由だし、理由は理解できるわ。うん。……え、大幅に減給したけど、お仕置きの意味が薄まるから甘やかすな? あ、はい。解りましたわ。


っと。大いに脱線してしまいましたが……。深夜のダンジョン攻略。行ってみましょうか。



「でもまぁ、ゾンビとネズミぶっ殺しまくるだけですので……。」


「お嬢様?」


「ちょっとスキップさせて頂きますわッ!」


「お嬢様!?」





~少女攻略中~




〇成果


[STATUS]

Name : ヴァネッサ・ド・ラモルヴィーヌ

Race : 人間 (転生)

Age : 15

Job : 魔剣士

Level : 5 (+4)

EXP : 0 / 71


HP : 13 / 13 (+1)

MP : 17 / 17 (+3)


ATK : 6 (+1)

DEF : 7 (+2)

M.ATK : 8 (+1)

M.DEF : 9 

SPD : 14 (+2)

LUK : 15 (+1)


SP : 14 


Skill Slots: 1 / 3 『付与魔法』





~少女帰還中~





「くぅぅ! 動きましたわッ! でもやっぱり伸びは微妙ですわね。」



もうちょっと上がって欲しいなぁ、とこぼしながら大きく伸び。


時刻は少し空に光が戻り始めたころ。ようやくダンジョン攻略を切り上げ地上に戻って来ましたが……、やっぱり成長率があまりよくありません。感覚的な話にはなってしまうのですが、大体主人公の半分から3分の1くらい。この辺りはもう完全に才能の話となってきますので、ちょっと羨ましくなっちゃいますよね。


先日の事故では、主人公が私の戦闘を見て喜んでいましたが……。あれはどっちかと言うと、技術に対しての『凄い凄い』だったかと思われます。ちょっとポンな所もある彼女では、まだその感情の言語化は出来てないでしょうが、ゲームで数値を知る私からすれば『すぐに追いつかれる』程度の差しかありません。



(つまり小手先の技術で何とか勝っているような状態。面と向かって戦ったことはありませんし、するつもりもないですが、単純な出力不足ではすぐに負けてしまうでしょう。唯一勝っているのは速度ぐらい、でしょうか?)



そう考えると、より効率的にレベリングを為していく必要があります。


私の現在の目標は、やはりダンジョンを楽しむこと。しかしその大前提として死なないことと言うのが挙げられます。つまりもし主人公と敵対したり、ストーリー関連のイベントに巻き込まれてしまった時に備え、力を蓄える必要があるのです。当初は『学園に行かず接点を作らなければいいだろ』と思っていましたが、もう二度もあっちゃった手前、余裕ぶっこいてる暇はないと考えられます。


まぁそもそも、ダンジョンというのは危険な場所です。楽しい趣味で死んじゃったら最悪ですし、付き合って頂いている皆様に申し訳が立ちません。となると“より楽しみながら”強くなる速度を上げたいところなのですが……。



「やっぱ一人では限界がありますわね。」



皆様ご存じの通り、『すいらび』というゲームはRPG。つまり複数人のキャラを操り戦闘を進めていくゲームです。確かに一人プレイは不可能ではありませんが推奨されておらず、ゲーム製作者の皆様が思う『楽しみ方』を実施するには、やはりチームが必要です。


確かに経験値は人数分に分割されて最初は効率が悪く成るでしょうが、人数がいれば今の私ではまだいけない場所に足を踏み入れたりすることが出来ます。結果的に効率が向上し、探索で手に入る品々のランクも上がります。まぁ私の場合、武器以外は家の者たちが用意しちゃうのであんまりその辺りの恩恵はないのですが……。



「主人公対策にも、仲間はやはり必要でしょうね。」



別れる直前に彼女が言おうとしていたこと。まぁ確かに、この世界をゲームとして楽しんでいた私からすれば少々気に成るお誘いであったのは確かなのですが……。この身が『ヴァネッサ』である限り、絶対に受け入れられない要請でした。


いやまぁ利点があるのは理解してるんですけど、最悪王子とかも加入するだろう彼女のチームに参加するなど言語道断なんですよね。


しかし彼女は行動力の化身、『こちらのチームが既に存在しておりメンバーを募集していない』とかじゃない限り、確実にこちらを引き込もうとして来るでしょう。諸突猛進でタフネスだけはあるのです。こっちがバテるまで付きまとって来るに違いありません。



「うん。前々から欲しかったですし、ダンジョン攻略と並行して仲間探し、していきましょうか。まだまだ初心者の域を出ない能力値ですが、ある程度の強さはあるのです。頷いてくれるもの好きもいるでしょう。っと、冒険者ギルドに寄ってから帰りますわ~。」



夜番の護衛の皆様、いつもとはちょっと違う面々に通達を行い、冒険者ギルドへ。


我々が住む王都の大通り、その一つをテクテクとあるながら、夜が明けようとする町を眺めます。うんうん、普段この時間が寝ていて気が付きませんが、余り人の数が多くなく、空気も澄んでいて気分が良いですわね。まぁ王都という大量の人がいる都市ということもあり、既にお仕事を開始している方々もいますが……。ちょっと特別な時間を過ごせている気がして、楽しいです。


っと、ここですわね。冒険者ギルドのマークが飾られた、ちょっと大きめの建物。ではでは、ちょっと声色と姿勢を整えまして。僕は『ヴァル』、僕は「ヴァル」、僕はヴァル。……よし!



「失礼……、っと。死屍累々だね。」



男性の動きと口調を意識しながらドアを開けてみれば、いきなりこちらに倒れ掛かって来る人影。


背後に隠れていた護衛の皆様が飛び出すのを静止してみれば、どうやら酔いつぶれた冒険者の方がドア付近に寝転がっていたようで、こっちに倒れちゃった感じのようです。そして軽く中の方を見てみれば、やはり同様の“死体”が沢山。酒場併設のギルドということは知っていましたが……、凄い事なってますね。あとアルコールの匂いが酷い。


顔を顰めながら『これ介抱してあげた方が良いのでしょうか?』と思い入り口で戸惑っていると、奥の方からこちらを手招きする女性が。どうやら受付嬢の様で、無視していいと言ってくださる様ですね。ではお言葉に甘えて。



「失礼、この時間帯は初めてでね。……いつもこんな感じなのかい?」


「そんな感じっすねぇ。おにーさんも夜番やってみます? お酒がだーいきらいになれますよ、マジで。あとギルドの上も大嫌いに成れます。誰だよ受付と酒場一緒にした奴。」


「あ、あはは……。飴でも嘗めるかい?」


「もらうっす。」



話しかけてみれば、想像以上に軽い返答が。


一瞬ゲームで見た受付嬢とは全く違うなぁという思考が頭をよぎりましたが、まぁそれもそのはず。結構な数を誇るだろう王都の冒険者をたった一人の受付嬢でさばけるわけがありませんし、常にギルドにいるわけもありません。色々な方が冒険者として働いていらっしゃるのでしょう。


まぁちょっと可哀想でしたので、懐に入れていた飴ちゃんを差し上げておきます。……あ、ガリガリ噛んじゃうタイプなんですわね。



「おー、イイ飴っすね。うま。……んで、何の御用っすか? 武器持ってますし、冒険者の方っすよね? 朝の依頼の張り出しは後2時間ぐらい後なんすけど。」


「そうなのかい? じゃあちょっと早く来すぎたか……。とりあえず魔石の換金をしたいんだけど、大丈夫かい? 無理そうなら日を改めるけど。」


「問題ねーっすけど、担当者がまだ出勤してないので鑑定とかに時間がかかるっす。ギルド証と一緒に出してもらえればこっちで預かっておくんで、好きな時に受け取れるっすよ。」


「じゃあそれで頼むよ。」



便利だなぁと思いながら、背負っていた袋と共に、ギルド証を提出します。


えぇそうですね。仮面被ってヴァルの恰好をしたわたくしの写真が貼っている奴です。……今更ですけど、これ証明写真扱いですよね? なんで仮面被ってても大丈夫なんでしょ? 本人確認とか出来るの……。あ、全く動じずに仕事進めてる。大丈夫なんですわね。はえ~。



「んじゃ失礼して、っと。……おにーさん大分魔石ためこみましたっすねぇ。重いっす。」


「あぁうん。何かと換金する機会に恵まれなくてね。パンパンに成っちゃったよ。」


「……ちょっとこっち側来て運ぶの手伝ってもらえるっすか? もてねぇっす。」



ありゃ。それは申し訳ないですわ。すぐお手伝いさせて頂きますとも。


ということでちょっと遠回りさせて頂き、カウンターの向こう側へ。そのまま彼女の指示を受けながら、既定の場所に魔石が入った袋を置いておきます。一応私でも運びながら戦闘が出来る重さだったのですが……。かなり非力な方のようです。よくよく観察してみれば腕とかとても細いですし、ちゃんと食べてないのかもしれません。……チップとしていくらか包んだ方がいいのでしょうか?



「後は申請書かいてぇー、っと。うし、これで終わりっす。今日の午後くらいには換金も終わってると思うので、それ以降にギルド証と一緒に受け取りに来てくださいっす。まぁ私はそのころ家で気絶してるっすから、他の奴が担当しますけど。」


「だ、大丈夫なのかいソレ?」



深夜での勤務ですから、お給金は良い方だと思うのですが……。き、気絶って大丈夫なんでしょうか? 体から見てあまり食べられていないようですし、とても心配です。


み、身分がバレちゃうので口にはできませんけど、転職先紹介しましょうか? ヴァネッサって小娘の屋敷なんですけど、何かと人手を集めてる所でしてね? 受付嬢の経験があるのなら、メイドとか以外にも事務とかそういうのも出来なくはないでしょうし……。どうしましょ護衛の方にお願いしてそれとなくやってもらいましょうか?



「さぁ? しらねっす。」


「さ、さぁって……。」


「んで、他にもなんかようあるっすか? 深夜営業中なんで出来ないこともあるっすが、仕事無くてぼーっとしてる時間って結構辛めなんすよ。アレだったら金払うんで話し相手になってくれねーっすか? おにーさんいい声だし。」


「あー、うん。お誘いには乗れないけど、実は仲間を探そうかと思ってね。そう言うのはどうすればいいのかな?」



確かに虚無の時間って辛いものがありますわよねぇ、と思いながらも質問を投げかけます。


ゲームでは攻略対象を誘ったり、ギルドでウロチョロしている人に声をかけて仲間集めを行うのですが。私がそれをやるにはちょっと色々問題が浮上しますし、効率的とも言えません。なので自分一人で歩き回って探す傍ら、何かギルドが用意しているのがあれば使った見ようかな~と思い聞いてみると、『あぁそれっすねー』と言いながら一枚の紙を用意してくださいました。



「これにおにーさんの軽い自己紹介と能力、求めてる人の能力、あとついでになんか適当なフレーズ書いてくださいっす。んでそれをあそこの掲示板に貼り付けておくので、気に成った人がギルドに申請出して、実際に会ってみる。みたいな感じっすねー。」


「なるほど……。ちなみにフレーズと言うのは?」


「『美女大募集!』みたいなやつっす。まぁそれ貼りだした奴は2年ぐらい塩漬けされてるっすから、真面目にやった方がいいっすよ。」



なるほど……。感謝しますわ!


んじゃ、ちょちょいと書いちゃいますかねー!






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― 新着の感想 ―
なんかウィザードリィのホビット(力や生命力は弱い上に頭も悪いが、素早くて運がよい)を連想させるパラメーターですな 盗賊にしたら活躍しそう
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