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悪役令嬢、不登校を決める。~学校サボってダンジョン行きますわ!~  作者: サイリウム


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17:お友達ですわ!




「リヴィ~! 会いたかったですわ~!」


「ん、私も。……思ったより元気。」


「あら、元気じゃなきゃそもそもお呼びしないでしょう?」



そう言いながら、自身の友人。『リヴィ』こと『リヴィア・ド・グラシエール』ちゃんをお迎えします。屋敷にある中庭、そこにガーデニングテーブルをお出ししてのお茶会ですわね! 喀血するレベルの体調不良という体でズル休みしてますので、嘘をつかないといけないのは心苦しいですが……、友人と会えるのは単純に嬉しいですわ!



(にしても、本当にゲーム通りの見た目になりましたわね、彼女。)



リヴィア・ド・グラシエール。お察しの通り、彼女も『すいらび』に登場したライバルの一人です。


とある将軍の息子さんを攻略対象に選んだ時に出現する恋のライバルの一人で、氷の魔法を扱う伯爵令嬢。水色の短い髪を持ち、ガラスのお人形さんみたいな美しさと儚さを持つ方です。無表情で必要以上の言葉を発さず、常に物静かな性格であることもそれを後押ししています。


原作のわたくしのように変に性格がねじ曲がっているような子ではないということもあり、全体的に人気の高かった方でもありますわね。



(まぁそんな無表情ゆえに感情すらないように思える彼女ですが……、たまにぶっ飛ぶんですよね。)



彼女のお父様が国の要職に付かれているということもあり、幼少期から何かと付き合いがある彼女。


リヴィが私のことをどう思っているか解らないので親友とまでは言えませんが、互いの性格を理解し合う仲です。まぁ私は原作での彼女を知っているので、その顔に見合わない行動をしても『あぁ昔から』という反応しか出ないのですが……。


『すいらび』での彼女は、ヴァネッサのように主人公を虐めてくることはありません。基本その動きを傍観しているだけであり、主人公が彼女の婚約者である『将軍の息子』に近づいても、何かアクションを起こすことはありませんでした。


ただその関係性が恋仲に発展し、彼女の家と将軍の家との『婚約』という契約を破壊する様な動きを起こせば……。



(殺しに来ちゃうんですよねぇ。)


「……ん? 何考えてる?」


「昔のことですわ。ほら一緒に、そちらのお家の武器庫に遊びに行ったりしたでしょう? それで火薬に火をつけて(脱字?)ちゃって大騒ぎになったアレです。」


「あー、……楽しかった。」


「何とか抱えて逃げれたから良かったですけど、城半壊させてその反応は流石としか言えませんわ。ほんとに。」



火薬に火をつけたら面白いだろうと考え、『いい武器揃えてますわねぇ。あ、このハンマー重そうで好きかも』と見物している後ろで、火薬に火をつけた彼女。急いでリヴィを抱えて脱出し、大声で皆さんを避難させたおかげで負傷者は出ませんでしたが、あれほど死を覚悟した瞬間はございません。


まぁそんな彼女。


私も進み始めたら止まらないタチではあるのですが、リヴィの方がその速度と力強さが上ってわけです。


原作におけるリヴィは、婚約という貴族同士の契約を破棄させるような動きをする主人公はどこかの間者に違いないと断定。そこから先は本気で殺しに来るようになりますし、一定時間経過すると主人公が寮で不審死するというイベントが待っています。まぁ婚約という『契約』は貴族にとってとても大事なものなので、別に間違った行為ではないんですけど……。


あ、ちなみに『将軍の息子』からの好感度を一定以上上げると彼が間に入ってくれますし、そこからちゃんとイベントを進めて『正式に婚約を破棄』させると彼女は無力化するどころか、普通に二人の仲を応援してくれるようになりますので、もしプレイする時は御参考にしてくださいまし。



「ん。話戻す。体……、大丈夫?」


「えぇ。ただ調子の浮き沈みが激しいので、まだまだベッドがお友達になりそうですわ。うつすようなものではないので、お見舞いの品の礼を兼ねて、お呼びしたわけです。あ、手紙のお礼もですわね。」


「きにしてない。」



そんなリヴィちゃんですが、先日言っていたように。学園の様子を少し調べてもらっていました。


『なんか平民の子が学園に入学したって聞いたけど、大丈夫そう? どんな感じ?』みたいな内容をお手紙にして送り、依頼したような感じです。お陰様で主人公ことノエルちゃんの様子がある程度把握できましたし、その他の細々としたものも確認することが出来ました。


不登校をすると決めた以上、学校には行けませんからね。こういう情報筋はほんと助かりますわ!



「……うん、元気そ。安心。」


「ご心配かけて申し訳ありませんわ! また今度一緒に遊びに行きましょう?」


「病気、治ってから。……そうだ、殿下。お手紙出した?」


「ルシアン様ですか? えぇまぁ。」



急に彼女から王子の名前が出て少し驚きましたが、そのように答えます。


王子が不登校初日に屋敷へと突撃して来たあの日以降、彼がこちらにやって来たことはありません。ただ結構な頻度で贈り物やお手紙を頂いているので、『王家って興味なくてもここまで婚約者にするんだなぁ』と少し感心しながら、お返事やお礼の品を送り返している感じです。


ただまぁちょっと頂くお手紙がですね? なんか無駄に湿ってたり、開いたら文字がかなり揺れて読みにくかったりと毎度毎度ちょっとアレなんですよね。良く知る原作の王子は、かなり達筆なことで知られていましたし、以前までの彼の直筆はそのまま教科書代わりにしても良いレベルでした。けれど最近はどんどん下手になってまして、『あぁ誰かに代筆させてるんだな』と思うばかり。



「嫌がらせでもしたいのか、毎回湿ってますし……。」


「……あー、うん。」


「ま、王家相手ですからね。ちょっと機械的にはなりますが、毎度しっかり返事はしてますとも。ただあまりにも回数が多いので、お返しの品のローテーションが3巡しちゃってるんですよね。『もういらない』って遠回しに書いてもまだ送ってきますし……。もう直接『いらない』って書いて送った方がいいのかしら?」


「…………哀れ。」



え、何がです?


あ、滅茶苦茶恋慕してる相手に全く気付かれてない可哀想な男の人? へー、学園にそんな人がいるんですのね。まぁ入学から一月程度なのに、それだけお慕いされてるなんて。幸せな女性ですわねぇ。まぁわたくし、恋愛には全然興味ありませんし、それに首突っ込むなら武器振るってる方が好きな口です。大量にアピールしても女性がそれに気が付かないとなれば『察してあげようよ!』と思うかもしれませんが……。


ま、その成就を陰ながら祈らせて頂きますわ!



「うん、わたしも。……これがクソボケ?」


「レヴィ?」


「ううん、何も。」



あ、そう? なら良いのですが。






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