大波乱の障害物競走!!
『さぁやって参りました!注目度ナンバー2の競技、障害物競争!今回はスーパーマ○オをテーマにしてステージ製作したと言われていますが、そのギミックの脅威やいかに!?』
というわけで始まった障害物競走。
早くも波乱の予感しかしないわけなのだが。
『まずは網をくぐる!これは全然楽か……おっと!小野田選手がやけに手間取っている!!』
……網で手間取ってるとか、コイツ本当にヤル気あんのか?
思わずそう突っ込みたくなってしまったが、グッと我慢我慢。
……よ~く見たら、そのわけが分かったし。
「……顎が、網に絡まってやがる」
……小野田のネックである顎が。
網にかかって、抜け出せない……。
こうしているうちにも、大和達は第二ギミックに向かっている。
アホだろ、こいつ。
「うぉおおおおおおおおおおおおお!!」
気合でなんとか抜けた!?
やや遅れて小野田が第二ギミックに入る。
それは前後に移動する床だ。
みんなここで少し戸惑っている。
「よっほっ」
大和は涼しい顔でそれを飛び越えて、第三ギミックへ。
小野田もなんとかタイミングを見計らって、通過する。
……あ、一人落ちた。
『さぁさぁ続きましては崩れる床!駆け抜けないと落ちてしまうぞ!!』
実況の宮橋がそんなことを言ってくる。
しかしこの実況、かなりノリノリである。
「おっと!」
大和は……なんと床が崩れる前に渡れてる!?
「は、速い!?」
後ろを走る小野田は、驚きながら走る。
だが、その途中で。
「うわっと!!」
転んで落ちそうになった。
そのまま踏ん張って、落ちるのを防いだ。
……頑張るな、小野田。
『何とか参加者のほとんどがここまでこれました!約二名ほどの脱落者は出ましたが……』
すでに二名脱落してたのか。
けど逆に言えば、まだ二名しか脱落してないのか。
『続きましてはめちゃ高い壁です!!しかも掴むところなんてありません!!自力で登ってくださいね。ただし、三回チャレンジしてミスした場合はその場で終了ですので、お気をつけてくださいね』
三回ミスしたら終わりなのか。
まぁ……何回もミスしていいんじゃ、ずっと終わりそうにないからな。
「……はっ!」
……え?
大和は、地面を一回蹴って……そのまま登りきっただと!?
やべぇ……驚異的体力の持ち主だろ、アイツ。
「俺だって……出来る!!!」
大和が登り切ったのを見て、小野田の魂に火がついたらしい。
小野田の挑戦、一回目。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
頑張って登る小野田。
しかし、真ん中らへんで落ちて行った。
周りの奴は、すでにほとんどの奴が脱落している。
小野田の挑戦、二回目。
「……はっ!」
タンタンタンタン。
リズムよく駆け上がっていく小野田。
だが、もう少しと言う所で。
ズルッ。
「うわっと!」
ああ……足を滑らせて、今までの苦労が水の泡に……。
ガッ!
「……は?」
「……いやいや、これはないだろう、マジで」
晴信すらそんな反応を見せてしまった瞬間。
……網くぐりの時にあれほど邪魔だった顎が、ここに来て活躍したのだ。
壁の一番上の部分に、顎が引っかかったのだ。
……これ、人間業なのか?
「よっと」
その幸運を利用して、小野田はどうにか壁を登り切った。
……奇跡だ、小野田が登り切るなんて。
しかも、残っているのがコイツと大和だけだなんて。
そして、次のギミックはウンテイだ……。




