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Magicians Circle  作者: ransu521
体育祭編
88/309

100m競争は熱いです

さて、開会式も終了したところで、第一競技の100m走なのだが……これに参加するのは、


「宮澤晴信……だっけ?」

「そういうお前は、佐々木啓介だったな」


まぁ、S組からは晴信含めて他数名。

各クラス4,5人程参加するこの競技。

……これが普通の学校の体育祭なら、特に違和感のないこの光景。

しかし、ここは雷山塚高等学校だ。

競技中の魔術の使用は……何と認められている。

ただし、他人への使用は不可。

邪魔だけはしてはいけないという風になっている。

しかし……自分に対する魔術の使用は可能だ。

……つまり、自分の足とかに魔術をかけて強化して、足を速くすることも可能ってわけだ。

……ドーピング(?)万歳。


「あの時は助けてもらったけど……今回は勝ちに行かせてもらうぞ!」

「勝った方が小山先輩を……」

「……何でそこで千里の名前がでる?」

「へ?」


……晴信。

今、自分で死亡フラグたてたぞ。

なんか、佐々木の周囲が黒いぞ……うわっ!

こっちまで来てる!?


「……そうか。宮澤、お前、千里に……」

「あの……ちょっと?」

「悪いが……お前のようなやつに、千里は渡さない!!」


さりげない告白!?

しかし、当の本人は……えっと、あ、いた!

……友達と談笑していてまったく聞いていないご様子で。


「……上等だ。俺が負けたら即刻手を引いてやる。けど、勝ったら俺が、小山先輩をもらう!!」

「ああいいぜ!ただし、勝つのは俺だ!!」

「お前、自分が何組に所属しているのか分かって言ってる?俺はS組だぞ?」

「そんなのにSもAも関係ない!!」


なんか佐々木がカッコよく見えるぞ!?

……出っ歯だけど。


「……行くぜ!!」

「位置について、よーい……」


ピストルを持った青年が、選手達にそう告げる。

佐々木と晴信の二人も、周りの人と同じように構えをとり……。

パン!!


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

「ちさとぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


……うわぁ、ある意味凄い光景。

傍ら凄い形相で走る男。

傍ら誰かの名前を叫びながら走る男。

……見事に周りの奴らがドン引きしてる。

何これ、なんて漫才?


「晴信と啓介は面白いね」

「お前……この状況をよくそんな軽く流せるな」


面白いなんてもんじゃない。

あれはあれで、ある意味惨劇が展開されてるぞ。

……誰かアイツらを止めろ。

声がこっちまで響いてうるさいったらありゃしない。


「千里は……千里は渡さないぃいいいいいいいいいいいいい!!」

「勝つのは……勝つのは俺だぁああああああああああああああああ!!」


……字数稼ぎもいい加減にしてくれ。

頭に響いて仕方ないんだよ。

とっとと決着決めてくれ。


「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」


なんて考えている内に、二人を含めた八人は、ゴールした。

結果は……。


「え、えっと……どっちが先にゴールしたのでしょう?」

「えぇ!?どっちが先に入ったのか分からないの!?」


……多少仕方ない節はあると思うが。

あれだけ同じようなスピードで走ってたんだ。

判断に困ってしまうのにも納得がいく。


「う~ん……困ったな」

「両者一位というわけで、同じ点数だけいれればいいんじゃないか?」

「それじゃあ意味ないんだよ!どっちが勝ったかはっきりさせないと意味がないんだよ!」


……熱いな、二人が。

どのくらい熱いかと言われると、『お米食べろ!』等のセリフが有名で、ニ○ニ○動画で有名な、松岡○造並に熱い。

ていうか……ムサい。


「どっちが勝ったかはっきりさせてくれよ!!」

「千里の運命がかかってるんだ!!」

「いや、そんなこと言われても……」


これには体育祭実行委員の連中も困り果てていた。

……なんともむなしい攻防だな、しかし。

結局、両者同着一位ということで、この場は決着がついた。

ある意味ドンマイ、晴信に佐々木……。
















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