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Magicians Circle  作者: ransu521
新入部員編
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休み明けの再会と姉の登場

長いようで短かったゴールデンウィークも終わり。

今日からまた、学校での生活が始まる。

久しぶりの学校だが、休み明けっていうのは体がだるいような気がしてならないぜ。


「うっす、瞬一」

「よう、晴信……元気そうだな」

「当り前じゃねぇか!今日からまた学校が始まるんだぜ!」

「……何がそんなに嬉しいんだ?」


俺は学校に行くって点で嬉しい顔をするやつの気がしれないぞ。


「だってよ……また女子達のことを見ることが出来るんだぜ?」

「……失礼。お前は真正の変態だったな」

「誰が真正の変態だよ!!」


お前以外に誰がいる?

思わずそう言いかけたが、


「あ……!」


誰かの声によって、それは阻止された。


「……命拾いしたな、晴信」

「何のこと!?」


突っ込んでくる晴信はとりあえず無視して。

さて、今の声は女子の物だったけど……どっかで聞いたことあるような……。


「瞬一先輩!!」

「……先輩?……あっ!」


青いポニーテールを揺らしながらそんなことを言ってくるのは、先日会った女子だ。

名前は……。


「優奈!」


そう、植野優奈。

確か双子の妹の方だったかと思われる。

もしや……後ろの方で般若の形相を浮かべている、若干釣り目がちの女子が、姉だったりする?


「どうかしましたか?」

「い、いや……後ろの方でこちらのことを必死こいて眺めている女子は、ひょっとしてお前の姉か?」

「そうですけど……」

「マジで!?」


髪は結んではいないが、青い髪の毛。

瞳の色は同じだが、こちらは多少釣り目。

微妙な違いはあるものの、それ以外がほとんどそっくり。

……認めたくはないが、こちらが姉ということになるのか。


「何よ。認めたくないとか思ってるんでしょうね?」

「心を読まれた!?」

「言葉に出してましたよ……?」


マジで?

心の中で呟いたつもりだったんだけどな……まぁいいか。


「せめて優奈はああいう女子にだけはなるなよ?」

「ああいう女子ってどういうこと?」

「ガサツな女って意味合いで」

「……殺すわよ?」

「サーセン」


あれ、デジャブが……。


「お、おい、瞬一……」

「何だ晴信。まだいたのか」

「まだいたのかじゃねえ!!俺を無視してどんどん話を進めるな!!」

「すまん。先に教室に行ってたとばかり思ってた」

「存在感すらなくなってた!?」


あーうるさいな。

耳元で色々叫ばないでくれよ、耳が痛くなるから。


「……あの、そちらの方は?」

「んで?こっちの可愛い双子は?」

「……こっちは俺のクラスメートの宮澤晴信。こっちがつい先日ここで会った植野優奈と、その姉の……」

「植野刹那よ」


刹那って言うのか……。

何というか、両親もなかなかにいい勘をしていると思う。


「ただな、忠誠心が足りないというか……」

「刀持ってないし、更には名家の護衛役的なこともしてないしな」

「……何のことよ?」

「お前達は知らなくていいことだよ」


特に優菜には、そういうことはまだ早いと思う(勝手にそう考えた)。


「それはともかくとして、そろそろ部活とかは決まったのか?」

「それが……まだなんです」

「おっと……それはさすがにヤバいだろ」


この学校は、新入生は5月までに一個は部活に所属していなければならない。

そして、一年生の内は、その部活から抜けることは不可能という……結構理不尽な決まりごとがある。

それで俺達は新しい部活を立てて……未だに部員は一之瀬を含んだ四人しかいない。

中学生は、中学の部活があるので、空はこの部活に所属していないのだ。


「なら、俺達の部活に入らないかい?」


超爽やかな顔をして、晴信は誘う。

……悪いが、正直言って、


「キモいわよ、宮澤先輩」

「あべし!?」


刹那からの言葉の右ストレートを喰らって、その場に倒れてしまう晴信。


「……Sクラスにもこういう奴がいるのね。なんだか三矢谷先輩が随分とマシな人に見えるわ」

「お前な……なんだかむず痒いから、俺のことは下の名前で呼んでくれよ、刹那」

「いいわよ……瞬一先輩」


まぁその話は置いといてだな。

今は部活に入るか入らないかの話なんだよ。


「……何て名前の部活なんですか?」

「魔術格闘部……って、名前だ。その名の通り、魔術による戦闘訓練的なことをする部活だ」

「へぇ……面白そうじゃない。それに、クラス分け試験の特訓にも繋がりそうね」


お、意外と好感触?


「まぁ……考えとくわ」

「もし入ることにするのなら、俺の所に来てくれ。大抵S組にいるから」

「分かりました」


その後俺達は、HRに遅れるのもよくないから、それぞれの教室に向かった。
















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