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Magicians Circle  作者: ransu521
水の都グレイブスタン王国編
69/309

夕食が始まるよ

「「「「「「「おお……」」」」」」」


俺達全員は、中の豪華さに、ただ驚くばかりであった。

……ここ、食堂なんだよな?

えらくピカピカした(これは俺から見て)部屋、中央広場でも見たシャンデリア、長いテーブルには料理が所狭しと並んでいる……いや、これだけのテーブルが埋まる程の料理の数って、これは一体何人分用意してるんだよ。


「想像以上の豪華さだね……」

「ああ。俺もまさか、アイミーがここまでの所に住んでる人だとは考えてなかった」


て言うか、考えようともしなかったが正解か。

身分とかは関係ないもんな、友達って奴に。


「お嬢様とレイブン様は少々遅れてくるそうです。ですから、先に始めてしまってもよろしいとのことです」

「……なら、始めるか?」


俺がみんなに尋ねてみた所。

晴信はいつの間にか痛みが消えたのか、笑顔で頷いてきた。

葵も笑顔で首を縦に振り、空は、


「……そうですね」


と、肯定の意を表す言葉を述べた。


「お腹空いたし、早く食べましょ」


と言ったのは、北条だ。

大和も無言で、かつ笑顔を忘れずに頷く。

一之瀬も、


「ですね」


と言ってきた。


「では開始の合図はシュンイチ、お願い出来ますか?」

「え、俺?……まぁいいけどよ」


まさか自分にそんな役目が回ってくるとは思ってなかったので、少し驚きだ。

けど、任された以上、最後までやりきるのが礼儀ってものだろう?


「んじゃ、まずは各自の席に着こうか」


そう言うや否や、俺達は各々の席につくことにした。

人数分しか用意されていないらしく、椅子は9個しかない。

……ん?9個?

俺達7人にアイミーと国王……シュライナーとあの執事の分は?


「我々執事は、皆さま方の食事が終了してから食べるものですから」

「あ、な~るほど。そういう規則的なものがあるわけね」


そう言えば、どこぞの執事漫画でもそんなこと言ってたっけか。


「よし、席に着いたな?」


椅子の配置としては、端っこの方に椅子が一つずつあり、後はテーブルを挟んで、右に四列、左に三列。

俺は右側の端っこの方の席を……半強制的に選ばされた。

なんか、シュライナーがそこに座れと言ってきたからだ。

と言うことは、俺の斜め左隣には、国王かアイミーのどちらかが来るということになるのか。

もしその場所に国王が来たとしたら……緊張しぱなっしだな、俺。

俺の右隣には、笑顔の葵が座っていた。

その横を、晴信・大和という順番で座っている。

俺の向かい側に空が座っていて、そこから一之瀬・北条の順番だ。


「さてま、そろそろ乾杯の音頭を……」

「待った!どうして私がこんな微妙な位置にいるのよ!アンタ、変わりなさいよ!」

「なっ……俺かよ!!」


北条が晴信の方を指差して、そんなことを言ってきた。

……いやいや、それは自分勝手と言うのでは?


「……このままだと埒が明かないから、晴信、場所を変わってやれ」

「……仕方ないな。ほらよ」


渋々晴信は席を譲る。


「……分かればいいのよ」


自己中ですな、これは。


「何か言ったかしら?」

「何も言ってない」


殺されそうな気がしたので、そう言葉を返しておいた。


「……それじゃあ俺から……」


ジュースの入ったグラスを上に掲げて、


「……乾杯!!」

「「「「「乾杯!!「」」」」」」


割りとグダグダにだったが、夕食が始まった。
















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