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Magicians Circle  作者: ransu521
水の都グレイブスタン王国編
63/309

展望台

しかし、国の中をこうして歩いてみても実感出来るが、


「この国、やっぱり平和だよな……」

「……そうだな」


俺の心の中の呟きを代弁してきた晴信に、言葉を返す俺。

とてもじゃないが、クリエイターが同じ国の人とは思えないくらいだ。


「日本ともちょっと似た雰囲気も感じますね」

「……ですね。私達に対してもいろいろ優しくしてくれますし」


そう会話を交わす一之瀬と空の手には、歩いている途中で店の人がくれたお菓子等が入っていた。

葵や北条も持っているが、俺と大和、そして晴信の分は別の物になっていた。


「お菓子っていいな……俺達のは……なんだよ、これ」

「さ、さぁ……プロテイン的な何かだろ?」


俺達が持つ袋の中には、何やら得体の知れない液体が入ったビン……すなわち飲み物が入っていた。

名前もなんとも奇抜で、その飲み物らしきものの名前は……『Dangerous』。


「直訳して、『危険な』って意味だね」

「何がしたいんだ、この国の人は……」


てか、こんな飲み物開発したの、何処の会社だよ……。


「あっ!広場ってここじゃないかな?」

「うん?……おお!!」


葵が指差す所を見ると、その先には……。


「綺麗……」

「なんて素敵な風景なの……この場所を、大和君と一緒に……(*^o^*)」

「なんか、本当に同じ地球にある国なのかどうか悩むな……」


空が呟き、北条が妄想の世界へ招かれ、晴信は普通に悩んでいた。

……三人の中でまともな反応とってるの空だけじゃねえか。


「にしても、ここがこの国の中央広場的なものか……」


真ん中に立つ大きな建物は、恐らくシュライナーが言っていた展望台なのだろう。

その建物の周りには、花壇が備え付けてあって、規則的に並べられた色の花が咲いていた。

十字路の役目も果たしているらしく、右左どちらを見ても、道はあった。

その道もまた、所々を水が流れている。

展望台から少し横に視点を動かして見ると、


「デケェ……」


俺達が今宵より数日間は寝泊まりする場所……この国を象徴するものしても考えてもよさそうな、この国の城が建っていた。


「うわぁ……大きいお城……」


葵が、憧れているような瞳をして、先にある城を見る。

……お姫様的なものに憧れるお年頃……でもないよな。


「まずはこの展望台からこの国の様子を見てみようよ」

「そうだな」


大和の提案により、俺達は展望台の中に入ることとなった。

展望台の入り口より中に入る。

当然のことながら、金は取られるだろう……と思っていたが、なんとこの展望台自体の入場料は無料だということらしい。


「太っ腹だぜ、ここの国は……」


思わずそう考えないわけにはいかなかった。

屋上に繋がるエレベーターに乗り込む前に、お土産的なものを買うことにした俺達は、中に入ってすぐの所にあるお土産屋に入ることにした。


「日本の方ですか?大歓迎です!」

「あ、どうも……」


店員からそうまで言われてしまう始末であった。


「本当に、この国の人は日本人に対して友好的な対応をするんですね」

「だな……ていうか、さっきの店員、可愛かったなぁ~」

「……アンタの頭の中はピンク色に染まってるわけ?」


北条にしてはいい所をついたな。

晴信も鼻の下を伸ばすのだけはやめろ……みっともないから。


「あ、これなんか買ってみたいです……」


そう言って空が見せてきたのは、ウサギの顔の形をしたヘアピンだった。


「ふむ……いいんじゃないか?可愛いと思うぞ」

「本当ですか!!それじゃあ私、これを買ってきます!」


そう言うと、空は商品を持ってレジに向かって行った。


「……出たよ。三矢谷瞬一の必殺女殺しが」

「誤解を招くようなことを言うな」


まったく、晴信の野郎は……。


「え?ミヤタニ……シュンイチ?」

「……え?」


その時。

さっきの店員が、俺の名前を呟くのが聞こえた。
















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