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Magicians Circle  作者: ransu521
秘草探し編
48/309

いざ大里山へ!

そして次の日。

本日は、晴天なり。

晴れててよかった。

雨降ってたら中止にする所だったからな。

ちなみに、あの後葵に聞いてみたら、どうさら下川先生は明日出張があるらしく、どのみち部活は中止にするつもりだったらしい。

俺達だけで活動することも多々あるが、今日が土曜日というのもあって、とのことだった。


「しかし、早く来すぎたかねぇ」


周りを見る。

ここは東京駅だ。

なので、見渡せばもちろんのこと、人が沢山いるのが見える。

だが、その中に晴信達の姿は見えなかった。


「……おはよう」

「ああ、おはよう」


お、そうしている内に、まずは佐々木が到着したな。

その顔は、真剣そのものだ。

今回の主役はコイツなのだから、無理もないだろう。

しかも、こうしている内にも、佐々木の幼馴染みは……。


「今日が休みでよかった」

「そうだな」


言い忘れていたが、雷山塚高校は、土曜日の授業は毎回あるわけではない。

偶数週は授業がある日。

奇数週は授業がない日という風に分かれているのである。

で、今週は奇数週なので、授業がない日なのだ。


「いよいよだな……」

「ああ。気を抜くんじゃねえぞ」

「分かってるって」


佐々木は、偉く真剣な表情で答える。

流石に、今の佐々木に何かを言う気はなかった。

真面目に人を助けたいと思ってるやつを馬鹿にすることは、決してしてはならないタブーだと自分の心の中で決めていたからだ。


「よっ!」


その時。

反対方向からゾロゾロと、晴信達がやってきた。

みると、晴信・葵・空の三人がいた。

……え、空まで来たの?


「なんか……来てしまいました」

「来てしまいましたって……危ない所だから、家に帰った方が……」

「空なら大丈夫だよ?だって、試験をトップの成績で合格してるんだもん」


そう言えば前にそんな話を聞いたな……。

けどな……う~む。


「まぁ、人が多いに越したことはないからな。ついてきたいって本人からの要望なわけだし、つれていくことにすっか」

「ありがとうございます」


ペコリと、空はお辞儀をする。


「けどな……空に、いや、みんなに言っておくけど、無茶だけはするなよな」

「「お前(瞬一)が言うな(言わない)!」」


晴信と葵の二人が、声を揃えて言ってきた。

いやはや、耳が痛いなぁ……。


「みんな……遅くなってゴメンね」


そこに、爽やかな顔をしてやってきたのは、大和だ。

と言っても、ここまで走って来たのかは知らないが、若干息が上がっていた。


「いや、俺達が早く来すぎただけだ。気にする……な!?」

「ど、どうしたの?瞬一」


大和の方を見ながら会話していると、俺はあることに気付いてしまった。

それは……。


「……北条、そんな所で隠れて悶絶してないで、とっととこっちに来い」

「(≧ε≦)……は!?私は一体なにを……」


もうコイツ、置いていっていいかな?

なんか、北条からヤバい匂いしか漂ってこないんだけど。


「と言うわけで、北条と晴信はどっか行け」

「って、俺もかよ!?」

「ああ。北条は危険だから。そして晴信はウザイから」

「理由になってねえよ!!」


晴信が抗議するが、ガン無視。


「そうやって適当な理由をつけて、私と大和君との仲を裂くつもりね!そうはいかないわよ……!!」

「もうお前は黙っててくれ」


数分前のシリアスは光景は何処に消えてしまったのやら。

いつの間にか、いつもの俺達の空気になっていた。

……佐々木が追い付いてないけど。


「……先、行っててもいいかな?」

「……行こうぜ」

「うん」

「はい」

「だね」


何やら騒ぎっぱなしの二人を置いて、俺達はとっとと先に行くことにした。


「お、おい!俺を置いてくなっての!」

「ま、待ちなさい!!」


後から二人も追いかけてきた。

ともかく、ソージの葉捜索の旅に出ることとなった。

それにしても、このメンバーで本当に大丈夫かね……不安になってきた。











大里山という山は、実際には存在しません。

あらかじめご了承ください。

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