学級委員の集まりにて
電話を終えた俺は、大事な部分を言ってくれなかった校長に抗議をして、校長室を出た。
しかし……あれがもし本当のことだとしたら(いや、本当の話なのだが)、俺、国内外でかなり有名になるぞ?
少なくとも、日本とグレイブスタン公国の中では。
目立つのはあまり好きじゃないんだけどな……。
「あ、そう言えば学級委員の集まりがあったんだっけ。時間も早かったわけだし、ちょっと顔出すか」
場所は確か……会議室だったな。
「……って、すぐ隣じゃん」
なんだ、だったらあの時、北条を弄りながらここまで来ればよかった(俺ってSなのか?)。
「まっ……一応ノックはしてからっと」
トントン、と扉を叩いてから、
「失礼します」
俺はそう言ってから、中からの返事を待たずに中に入る。
「あら……遅かったのね。どうしたのかしら?」
「あれ、吉沢先生が学級委員の担当の教師なんですか?」
「そうよ。私は厳密に言うと教師じゃないけど、やってくれって言われたから、引き受けたの」
「そうだったんですか……」
「それで、遅れた理由は?」
ああ、そう言えばそれを聞かれてたんだっけ。
「校長先生に呼び出されてました」
「成る程……ならいいわ。席に着きなさい」
「はい」
俺は吉沢先生に言われて、空いている席に座る。
そして、ふと隣を見てみたら……。
「……」
「……(;`皿´)」
何か、かなり怒ってますオーラが漂ってるんですけど。
顔なんか、怒りを表す顔文字状態になってるし。
しかも、よりによってそのチョイスかよ……センスないな、うん。
「それでは改めて二学年学級委員の総会を始めます」
リーダーになったらしき誰かが、そう言ってから、会議全体の指揮を始める。
先生は、どうやら会議事態には介入する気はないようだ。
「まずは自己紹介から……S組からお願いします」
いきなり俺達か。
「遅れて来てすみません……俺は二年S組学級委員、三矢谷瞬一っていいます。一年間、どうかよろしくお願いします」
俺がそう言い終わると、まばらに拍手が起こる。
そして、隣に座っていた北条が立ち上がる。
……いや、だから怒りのオーラをこっちに飛ばしてくるのはやめてください。
「同じく二年S組学級委員の北条真理亜よ。よろしくお願いします」
他人にまで当たってやがる、こいつ。
「それでは次に……A組、お願いします」
続いて、A組の学級委員の紹介に入る。
「まずは私から。私の名前は高坂夏妃。この度第二学年の学級委員長に選ばれました。一年間、どうかよろしくお願いします」
ふむふむ。
「……僕は二年A組新井出了。よろしくね」
多分今後会話を交わすことのないだろうこいつの名前を覚える必要はなし。
で、その隣はB組か……。
「はじめまして。二年B組の佐々木啓介といいます。どうかこの一年間、よろしくお願いします」
佐々木啓介か……。
何処かで聞いたことのある名前のような気もするけど。
あれは確か……クラス分け試験の日……。
「……マジかよ!?」
気付いてから、俺は思わず叫んでしまった。




