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Magicians Circle  作者: ransu521
Last episode4 光の器、闇の暴走
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Last episode 45

「行くぞ葵!これが最初で最後の戦いだ!全力で行くから、お前も全力でかかってこい!!」


瞬一は、刀を持つ手に力を込めて、葵に言う。

葵は、浮いているその状態から身を動かし、そして瞬一に向かって突っ込んで行った。


「お前の相手は……この俺、三矢谷瞬一が引き受けた!さぁ、どっからでもかかってこい!」

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


葵は、叫び声をあげながら瞬一に突っ込んでいく。

その手には、なにやら剣らしきものが握られていた。

力で制圧するわけではない……どうやら真正面から攻めてくるようだ。


「そんな攻撃の方法でいいのか?俺と同じ土俵で勝負をするって言うのなら……お前は必ず俺に負けることになるぞ、葵!!」


瞬一の挑発に構うこともなく、葵は瞬一の心臓目掛けて突進してくる。

天使の羽を動かして瞬一に迫ってくるその光景は……なんだか大分異質な光景にも思えて仕方がない。

だが、瞬一はそんな光景を見ても、やはり葵なんだと認識していた。

目の前にいるのは……力が暴走して抑えきれない堕天使なんかではない。

細川葵という……一人の親友なのだ。


「ハァッ!」


葵は、瞬一の心臓に突き刺すように、一気に剣を前へ突き出す。

瞬一は、その攻撃を体を右にひねって避けた後に、


「遅い!」


左に体を回転させて、その反動を利用して、葵に襲い掛かる。

体こそ斬られなかったが、葵は羽を斬られた。

片方の羽が斬られたことによって、葵は体勢を崩す。

だが、そんな状態もすぐに修復するように、葵の背中に生えている羽は、再生した。


「なる程な……やっかいな身体しやがって。斬られてもすぐに再生する身体ねぇ……正直言って、マジで勘弁だぜ」


瞬一は、一言そう呟くと、葵に向き直る。

葵は、瞬一に向かって今にも突撃しそうな体勢となっていた。


「来るならこいよ、葵……ただし、最初の攻撃でも分かったろうが、俺と同じ土俵で挑んだら、お前は負けることになるぜ?来るなら自分の土俵でかかってきな。俺も俺の土俵で戦うからよ!」


ドン!

先に動いたのは瞬一だ。

魔術で足を強化して、脚力をいつもの倍以上にする。

だが、葵にたどり着く為にはそれだけでは足りない。

それを物語るかのように、葵は羽を使って上空へと飛ぶ。


「させるかよ!」


更に足に魔力を流し、瞬一は葵に近づく為に……地面を強く蹴った。

そして、


「風よ吹け!俺の身体を上空へと舞い上がらせる程強く吹け!!」


瞬間。

瞬一の足元に魔法陣が出現し、そこから竜巻のようなものが起こる。

それに乗っかった瞬一の身体は、あっという間に葵のところまでたどり着いていた。


「!!」

「上空に逃げて魔術を発動させようったって……そうはいかねぇぞ!」


瞬一は、葵の心臓目掛けて剣を突き刺そうとする。

だが、葵は動じない。

いや、動じることが出来ない。


「滅せよ!」


葵は短く、そう呪文を詠唱する。

瞬間、瞬一の目の前に魔法陣が展開し、


「おっと!」


瞬一は慌てて攻撃をやめ、下へと落下する。

そのタイミングがもう少し遅れていたら……。

魔法陣からは、謎の光が発せられる。

それは、恐らく当たった物を消し去る光。

それほどに……強力な光だった。


「やるな……葵。だが、俺は必ずお前を殺す(すくう)。覚悟して待ってろよ……葵!」


瞬一は叫んだ後に、もう一度上空へと舞い上がった。













次回、二人の戦いが決着を迎える……予定。

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