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Magicians Circle  作者: ransu521
Last episode4 光の器、闇の暴走
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Last episode 26

「おい瞬一、今朝のニュース見たかよ!」

「……人の教室にまで乱入してきて、いきなり言う言葉はそれか」


瞬一は、いきなりS組の教室に乱入してきた晴信に対してそう言葉をかける。

晴信の後ろからは、啓介も現れてきた。


「この近くで殺人事件があったって事件ですか?」

「そうそう、それだよ!……おはよう、一之瀬。久しぶりだな」


晴信は、春香の顔を見てからそう言葉を返す。

瞬一達は、そんな晴信の様子に呆れつつ、


「それで?その事件がどうしたの?」


織が晴信に尋ねた。

すると、その問いには晴信ではなく、


「実は……」


啓介が言葉を発した。


「今日の朝のニュースによると、発見された男子生徒の死体って、うちの学校の生徒だったんだよ」

「え?そうなの!?」


ニュースを見てこなかったのか、織がオーバーリアクションを取る。

瞬一が言葉を続ける。


「ああ……まぁ、もっとも、『元』生徒だけどな」

「どういうことかしら?」


真理亜が瞬一に尋ねる。

瞬一はその質問に答えた。


「アイツ学校を辞めたんだよ……あの事件以来な」

「アイツ?アイツって誰のこと?」

「……何だ、知らなかったのか」


どうりで話が通じなかったのかと瞬一は考えた。

真理亜は、何のことかさっぱり分かっていなかったのだ。


「アイツって言うのは……由雪迅のことだよ」

「「え!?」」


織と真理亜の驚きの声が重なる。

晴信達は分かっていたのか、別段驚く様子も見せなかった。


「まさか由雪の奴が事件に巻き込まれるなんて思ってもなかったぜ……」

「けど、血は出てなかったんだろ?それって一体……」

「それは、由雪迅自身は、怪我を負っていなかったから、だろうね」

「は?」


大和が発した言葉の意味を、瞬一達は理解できないでいた。

それもそうだろう……死体が発見されているのに、外傷一つ負ってないという方が無理すぎる。


「いや、正確にはあの死体……血は出てたよ。それでも、横で倒れていた男の血が飛び散っていて、由雪の血が分からなかったっていうのはあるけどね」

「現にあの死体……背中から銃で撃たれたような傷があった。命には別状がないほどの傷だったけどな」


大和の言葉に続くように、大地が言った。


「テレビの映像を見ただけでそこまで判別がつくなんて……お前、凄いな」

「いや、待て待て。そもそもテレビで死体なんか映ってるわけねーだろ……お前らまさか、直接現場に行ったな?」


晴信の言葉を聞いて、瞬一が気付いたことを口にする。

大和と大地は、別段考える素振りを見せるまでもなく、


「ああ」

「確かに俺達は現場に行った……『組織』の調査活動の一環として、な」

「やっぱりか……それで、由雪は誰と戦ってたんだ?」


続けざまに瞬一は尋ねる。


「由雪が戦ったのは……スクリプターだね」

「スクリプター?……待てよ、それじゃあスクリプターは死んだってことになるのか?」

「ああ。スクリプターは由雪との戦いに敗れ、命を落とした」


大地が、その事実を淡々と述べる。

だが、その事実はあまりにも驚愕の内容だった。


「そうか……そうなると、この世界の脅威は、もう……」

「というか、由雪君はその人に勝ったんですよね?なら、何で由雪君は……あ、まさか……」


春香は尋ねようとして、途中で気付いた。


「多分春香が考えている通りだよ……由雪が悪魔と契約した際、そんな感じの契約を結んでいたんだと思う」

「敵を討ったら……命を差し出す。そんな感じの契約を結んでいたんだろうな」


大地の言葉に、瞬一達は固まってしまった。

言葉を発する機会を、完全に奪われてしまったかのように。


「そして、さっきの織の言葉だけど……まだこの世界に対する脅威は収まっていない」

「え?」


大和が、先ほどの織の呟きに対して意見を述べる。

瞬一は、


「そうか……まだあの少女が残ってたか」


黒いペンダントをぶら下げた少女を思い出しながら、そう呟いた。
















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