表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Magicians Circle  作者: ransu521
魔術格闘大会編
233/309

初戦は大事だよな

一回戦目に俺と小野田の二人が位置づけられている。

……最も、俺と小野田は戦う場所が違う為、互いが戦っている様子が見えるわけでもない。

だから、特に俺は小野田の試合経過とかを気にすることなく、自分の試合に集中することにした。


「さて、俺の試合相手はっと……」

「お前が俺様の試合相手か?」


後ろから声をかけられる。

するとそこには、不良っぽい男子生徒が一名居た。


「ああ、そうだけど?」

「よかったぁ~俺様の対戦相手で。何だか弱そうだもんなぁ」


……その言葉、そっくりお返ししてやるよ。

確か名前は、堂島健吾だっけか?


「さて……話しすぎるのも試合進行上よくないからな。さっさと始めようぜ!」

「いいけどよ……俺に当たったことを後悔するんじゃねえぞ?」

「言ってろ!時機に俺様が勝ちを得るんだからな!!」


その言葉が合図となって、俺達は同時に走り出す。

そして、何故か殴り合いになっていた。


「……はい?」

「俺様の戦闘スタイルは、魔術による体強化を施した状態での格闘戦だからな。こんな戦い方になるのも当然ってわけだ」


なるほど……さすがは全国大会。

面白い戦い方をする奴もいるものだな。

だが、近距離戦で俺に挑もうなんて、あまりに無茶過ぎるぜ!


「そんな戦い方をしたことを後悔するんだな!……聖なる雷よ、我の右手にその力の一部を宿せ!」


お馴染みのライトニングの呪文を詠唱し、そして相手に向かって雷を放出する。

だが、堂島はそれを殴って打ち消す。


「……ほぉ。そう言う戦い方なのか」

「飛び道具なんぞ俺には効かないぜ?……今度はこっちの反撃だ!」


ドン!

地面を思い切り蹴り、俺にどんどん近付いてくる堂島。

……一応この程度だと、小野田よりは強いくらいかな。

けど、俺の相手としては不十分だ!!


「雷を纏いし我が剣よ。その姿を現し、我が武器となれ!」

「な、何!?武器を出してくるだと!?」


何心底驚いた表情見せてんだよ、堂島の奴は。

別に武器使っちゃいけないなんてどこにも書いてないだろうが。


「峰で勘弁してやるよ……おとなしく地面に伏せろってんだ」

「言うじゃねえか……喧嘩じゃ負け知らずの俺様に、はたして勝てるかな?」


そのセリフは、間違いなく死亡フラグだと思う。

……小野田ですら言わないぞ、そんなセリフ。


「お前に一つ言っておく……俺はここまで負け知らずだ。そんな俺相手に、はたしてお前はどこまで戦うことが出来るかな?」


……言っていた。


「よそ見してる暇はあんのかよ!」

「あらよっと!」


堂島の右足蹴りを、俺は難なくかわす。

そして、峰で腹を思い切り殴る!


「ぐはっ!」

堂島の動きは鈍る。

よし、後はこのまま……。


「炎よ。我が身を喰らいて彼の者を包み込め!」


俺にしては珍しく、炎属性の魔術を発動させる。

……別に得意属性が雷というだけで、それ以外の属性も使えるのだ。


「あっち!!」


魔術服を着ている為、体が焼けることはない。

けれど、堂島を包み込む炎の渦のおかげに、堂島自身はかなりのダメージを受けたようだ。

おさまったころには、


「もう……だめ……ガクッ」

「堂島健吾、戦闘不能。三矢谷瞬一、勝利!」


堂島は、そう言葉を言い残すと、その場で気絶してしまった。

同時に、審判からの言葉も聞こえてきた。

……堂島健吾の連勝記録は、俺の手によってあっさりと打ち砕かれたのだった。

まぁ、なにがともあれ、これで一回戦は突破したことになるな。

次の俺の出番は、結構先の話しになりそうだ。


「……くそっ、覚えてやがれ」


……気絶した筈なのに、まだ堂島は喋れたんだ。
















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ