後夜祭
「はぁ~二日間お疲れ様」
「もうクタクタだよ……」
「劇があったり、部活の出し物があったり……充実した二日間ではあったね」
「はい……ですが疲れもしましたけど」
「俺はたっぷり拝めることが出来て楽しかったけどな!」
「……何でいるんだよ、晴信」
上から順番に、葵・織・大和・春香・晴信・俺の順番だ。
今俺達は、文化祭の後の後夜祭に出席している。
まぁ、これに出ない生徒はほとんどいないので、実質ほぼ全員がここにいることになるのだが。
場所は闘技場。
全員が集まるには、このくらい広い建物じゃないと入らなかったのだ。
「しかし、お前らのクラスがステージ発表で大賞を取るとはな」
「まぁな。そういうお前達こそ、審査員特別賞取ったじゃないか」
「だな……それくらいでも充分誇るべきことだと思うけどな」
俺達のクラスは、ステージ発表において審査員特別賞というなかなかの好成績だった。
……大賞作品がA組っていうのは少し悔しい所だけど。
「魔術格闘部の出し物も成功したわけだし……これでほとんどの問題が片付いたわけだ」
「まぁ、まだ他の問題が残ってるけどな」
「片付けのことだよね……ああ、面倒臭いなぁ」
葵がそうぼやいてしまうのも無理はない。
実際、俺達は自分のクラスの他にも、この闘技場の片付けもしないといけないわけだしな。
……はぁ、俺も面倒臭いと思うなぁ。
「細かいことは気にしない。だって、ここを借りる時に決めたことらしいじゃないか」
「……なんで大和が知ってるんだよ」
「春香から聞いたんだ。ついちょっと前にね」
なるほど……そういうことか。
何で知ってるのかと少し疑問に思っていたところだが、これで解決したぜ。
「あ、そろそろ花火が打ち上がるころじゃないかな?」
「そうだな。いよいよ、文化祭もクライマックスだ!」
代々、この文化祭は花火が打たれることで終わりが告げられる。
これは俺達が中学生の頃から変わっていない風習であり、今回も例外ではなかった。
『さぁいよいよ参りました!文化祭の終わりを告げる花火の打ち上げの瞬間!!ラスト十秒を皆さんと同時に数えたいと思います!!』
いよいよか……。
さて、俺も一緒に数えてやろうか。
「十!九!八!七!六!五!!」
後五秒近くで、文化祭は終わる。
「四!」
長かったな……二日間。
「三!!」
不思議と疲れていないけど……。
「二!!!」
なんだかとっても充実した二日間だった。
「一!!!!」
それももうすぐ終わる。
花火の打ち上げと共に、終わる。
「0!!!!!」
ドーンドーン!!
パンパンパンパン!!!!
花火が数発打ち上がり、ついに文化祭が終了した。
これで……次の文化祭は、後一年待たないといけないということになるな。
「それじゃあ……これから打ち上げパーティーにでも行こうぜ!」
「打ち上げって……何処に行くんだよ」
「葵ちゃんの家でいいんじゃないかな?」
「多分大丈夫だと思うよ!空も楽しみにしているだろうし」
「よし。なら幸太も連れてってやるか」
長かったわけだが、これにて文化祭は終了した。
明日からは、また勉強が始まるわけだけど……まぁいいだろう。
コイツらと一緒にいれば、なんとなく楽しくなりそうな気がするしな。
次は……確か全国魔術格闘大会だったっけかな。
文化祭編はこれで終わりです。
次回からは魔術格闘大会編に参りたいと思います。




