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Magicians Circle  作者: ransu521
文化祭編
220/309

昼食

……こんな調子でこの学校の文化祭を満喫する所、およそ一時間強。

俺達はさすがに腹が減ってきた為に、後、俺の方の時間もなくなってきた為に、そろそろ昼食を食べることにした。

どこで食べるか迷った挙句……中学二年生の教室で、なにやら喫茶店みたいなことをしているという話を聞いたので、そこの教室へ向かうことにした。

この教室には、確か空がいたような気もするし……。

ガラッ。

今回はあまり戸惑うことなく、俺達は扉を開いた。

すると、


「いらっしゃいませお客様。何名ですか?」

「二名で」

「かしこまりました。それでは、ご案内いたします」


制服で接する女子生徒に案内されて、俺達はテーブルにつく。

さっきの2-A程ではないが、この店もそこそこ人入りがいいようだ。


「これがメニューですね……」

「さてさて、どんな料理があるのだろうか……と」


俺とアイミーは、テーブルの上に置かれていたメニューを見て、どんなものがあるのかを確認する。

まず最初に目についたのは……。


「ピラフとか、チャーハンですか?」

「……割と本格的なんだな。教室でチャーハンとかやるとは」


中学生にしてはなかなかの名案だと俺は思う。

他には……。


「ほぅほぅ。シチューとかカレーもあるのか……」

「結構メニューが多いんですね」

「だな」


この店に来て良かったと思う。

と言うか、どうやってこれらの料理を作るというのだろうか?

……まぁ、この教室のいいところを巧みに利用しているのもあるがな。

その利点とは……。


「いらっしゃいませ……って、瞬一さんじゃないですか。来てくれてありがとうございます♪」

「まぁな。昼時だったし、ちょうどいいと思ってよ……あ、注文言ってもいいか?」

「はい。構いませんよ?」


よし、それじゃあ注文を……。


「ピラフを一つと、シチューを一つ、後紅茶を二つください」

「畏まりました。少々お待ちください」


そう告げると、空はパタパタと足音を立てて、奥に戻る。

……うん、一生懸命頑張ってるな。


「今のも、シュンイチの知り合いですか?」

「ああ。葵の妹だ」

「アオイの……なるほど、通りで少し似ていると思ったら、そういうことだったのですか」


やはり気づいていたみたいだな。

さすがはアイミー、人を見る目はあるな。


「お待たせしました」

「お?意外と速いな」

「ええ。隣の家庭科室で料理をしていますので」


そう。

この教室の最大の利点は、隣が家庭科室であるということだ。

他のクラスも借りてはいるが、このクラスは隣接している為、すぐに持って来れるというわけだ。

ちなみに、うちのクラスも借りてはいるが、ケーキ屋だからそこまで影響はないと言えばない。

何せ、ケーキなら教室でもギリギリ作れるし。


「それでは、ごゆっくりどうぞ……後、ピラフを頼んでくれて、ありがとうございます」


そう空は告げると、顔を少し赤くして、戻って行った。

……最後の言葉の意味って、もしかして。


「これ、空の手作りピラフってことか?」

「多分そうでしょうね……私もシュンイチの為に何か料理を作らなければ」


最後の方にアイミーが何を言ったのかいまいち聞こえなかったが、まぁとりあえず俺達は料理を堪能することにした。

いい匂いだ……嗅ぐだけで食欲が湧いてくる。


「ふむ……おお!」

「お、おいしいです!」


ご飯がちょうどいい具合にパラパラとしていて、具材本来の味がぎっしり詰みこまれている。

味と栄養が考え込まれた、なかなかありつくことの出来ない料理だろう。


「……このシチュー、作り方を教えてほしいくらいです」

「何だ?そんなにおいしいのか?俺にも食べさせてくれよ」

「あ……」


俺は、置かれたスプーンを使って、シチューの味見をしてみる。

……お、これはなかなか美味い。


「……///」

「どうした?アイミー。顔を赤くして」

「な、何でもないです!」


……何だか微妙な空気になったような気がする。

なんというか、その……恥ずかしいような空気に。

その後、俺達は沈黙状態のまま、昼食を食べることとなった。
















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