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Magicians Circle  作者: ransu521
文化祭編
212/309

またかよ……

何をやるのかを決めてから、一週間が経過した。

俺達は本格的に準備段階に入った。

文化祭まで後数週間。

劇の練習も順調に進み、出店の方も料理の勉強をしている最中だ。

北条の料理が壊滅的だったのを受けて、学級委員ながら劇に専念することとなった。

俺と葵に春香、そして転入生である織の四人は、劇と出店の両方を担当することに。

大和と大地は劇に専念し、その他クラスメイトもボチボチと分かれることになった。

ちなみに琉川は、ケーキ屋の方に専念することになっている。


「……大変になるだろうけど、葵、春香、織、よろしくな?」

「大丈夫だよ!劇やりたいって言ったのは私だし!」

「わ、私も大丈夫です……劇といっても、簡単な役みたいですし」

「劇の方の担当と言っても、私は台本とかの方だしね」


織・春香・葵の順番で答える。

……まぁ、文化祭なんだし、楽しくやれればそれでいい。

そんな感じも、しなくもなかった。

けど、やるからには全力で。

それが、俺のモットーでもある。


「それより、大変なのは瞬一の方だよ……劇とケーキ屋の両方を担当してて、大丈夫なの?」


心配するように、葵が尋ねる。

……心配してくれるとは大変嬉しい。

俺としては、何としても成功させなくてはという気持ちを感じさせるものだ。


「ああ、大丈夫だ。両方ともやるって言っても、ほとんど俺は劇の方に専念するつもりだからな……ケーキ屋は、琉川を中心にやってもらうさ」


本来なら、学級委員の片割れである俺がケーキ屋の方に行ったほうがいいと思ったのだがな。

北条の料理さえ壊滅的でなければ……。

そして、クラスの奴らからは、


「お前しか主役はいないだろう!」

「劇の主役は、お前がやれ!!」

「適任じゃないか!」


……何故か劇の主役は俺がやる羽目に。

俺、そんなに演技力はある方じゃないと思うんだけどな。

けど、その後で葵・春香・織の三人からも、


「しゅ、瞬一君は絶対主役だよ!」

「そ、そうです!瞬一君は主役でなくてはなりません!」

「ボクが劇を選んだ理由がなくなっちゃうよ!」


最後の織の言葉はどこか引っかかるようなものを感じるが、まぁいいだろう。

とにかく、俺達は、今は劇の練習をすることにしよう。

そんなことを呟いていたその時だった。

ブゥウウウウウウウウウウウウ!

突如、例の呼び出し音がなる。

そして、


『二年S組、三矢谷瞬一、至急、校長室へ来るように!』


……またか。

まったく、うちの校長は、どうやら呼び出すのが好きらしいな。


「また瞬一が呼び出されたね……今度は一体、何をしたんだい?」

「俺がいつも悪いことをしているようなことを言うな。大体、俺は呼び出されてはいるけど、一度たりとも悪いことはした覚えはない」


確かにその通りなのだ。

今まで何回か呼び出されたりはしているが、そのほとんどが重大な情報を伝えるものなのだ。

まぁ、前のグレイブスタン公国の例だったり、その他諸々。


「まっ、何があるのかは知らないけど、とりあえずいってくるよ」

「行ってらっしゃい、瞬一」


しかし、今回は何で呼び出されたんだろうな……。

とにかく、俺は呼び出した先生の指示通り、校長室へ向かうことにした。
















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