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Magicians Circle  作者: ransu521
通り魔事件編
204/309

闇の魔術

「地獄へ落ちよ、愚かなる者どもよ!」

「風よ吹け。彼の者に制裁を与えよ!」


迅の魔術と、大和の魔術が激突する。

そこを中心として、砂煙が舞う。

風が強くなり、互いの体に鞭を打つ。


「ハァッ!」

「!!」


ガキン!

その隙をついて、大地は後ろから剣で斬りにかかった。

だが、振りむいた迅は、剣でその攻撃を防ぐ。


「コイツ……!」

「静かなる風よ。今ここに、静寂なる怒りを奏でよ!」


大和の詠唱が、響き渡る。

そして、次の瞬間。


「なっ……!」

「喰らうがいい。シングスライド!」


次の瞬間。

一直線に吹く風が、まるで鎖のように何重にも繋がり、迅に襲いかかる。


「ちっ……消えろ!」


叫び声と共に、迅の足元に魔法陣が現れる。

そこから、黒い壁が現れ、襲いかかってくる風の鎖を、すべて打ち消した。


「闇よ。彼の者達を地獄へ誘え!」


瞬間。

ボコッ!!


「な、何!?」

「……!!」


地面から、腕が何本も現れて、大和と大地に向かって襲いかかってくる。

地面に引きずり込もうとしているのだ。


「ちっ!」

「斬るんだ!」


大和と大地は、地面から生えてくる腕を、次々に斬っていく。

だが、


「……我は地獄の門を守りし番人。門の奥に秘められしは、闇の化身。今ここに、闇の門の封印を解き、邪神の復活を宣言する!」

「クソ野郎!!」


最後の腕を斬り終えて、詠唱を止める為に大地は走る。

だが、間に合わなかった。


「出でよ、闇を司りしネストよ!!」


迅は、詠唱を終える。

すると、地面に巨大な魔法陣が現れた。


「な、何だこの巨大な魔法陣は……かなりでかいぞ!」

「……これが、闇魔術の精霊召喚術」

「さぁ、存分に魔力を喰らって暴れろ、ネスト!!」


迅から魔力が奪われていくのが見える。

いや、正確に言うと、迅が今まで集めた魔力の一部が吸収されていくのが見えた。


「……どうする、大和」

「僕があれをひきつける。森谷は由雪をよろしく」

「分かった」


大和と大地は、二手に分かれて行動する。

大和はネストを、大地は迅を相手にする作戦だ。


「無駄だ。コイツから逃げようったって、無理な話しだ!」


身長が10mはあるのではないかと思われるような、黒い獣。

これが本当に精霊なのかどうかも疑わしくなるような形相をしていた。


「……我の呼び声に答え、今ここに、顕現することを命令する!」


大和も、自らの精霊を呼び出す。

それは、遥かにでかさで言えば小さかった。

しかし、羽が生えていて、空を飛べるというものだ。


「いけ、ウィン!」

「……!!」


無言で、ウィンは空を飛ぶ。

手には、弓矢らしきものが握られていた。

ここからは、精霊同士の戦いとなる。

精霊の維持に、魔力の消費が絶対となるので、どうしてもその場に立ち尽くしていなければならない。

なら、その隙をついて攻撃をすればいい。


「ハァッ!」


二人は、最初からそれを狙っていたのだ。

迅の背後より、風の塊を抱えた大地が迫ってきた。

気づくも、迅は行動に移ることが出来ない。

ここで迅の集中力さえ奪ってしまえば、精霊も消え、一気に形勢は逆転する。


「喰らえ、!ウイングボール!」


迅の背中から、大地はその風の塊を当てようとする。

だが、その攻撃は。


「……消えろ」

「なっ!?」


迅の足元より現れた黒い壁により、その攻撃は打ち消された。
















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