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Magicians Circle  作者: ransu521
通り魔事件編
199/309

対決

敵は、瞬一達めがけて確実に襲いかかってきていた。

ぶれることなんてない……まるで、何者かの意思が介入しているかのようだった。


「コイツ……しつこい!」


瞬一は、目の前にいる黒い影と応戦していた。

人数のおかげもあって、一人当たり二、三体となっているが、それでも瞬一達の動きが制限されているのは明らかだった。


「さてと……吹き飛んじまいな!!」


晴信が敵に向かってそう叫ぶ。

すると、敵と晴信の間で小さな爆発音が響く。

敵を壁に向かって吹き飛ばし、やがてその敵は、激突した。


「よし……その調子だ!」


大和は、自らが創り出した剣で敵と応戦しながら、晴信に向かってそう叫ぶ。

同時進行で、春香は、


「我らの傷を癒したまえ!」


傷ついた人達を回復しつつ、自らに近づいてきた敵は、最低限の攻撃で身を守る。

そういう戦闘スタイルをとっていた。


「風よ舞え。疾風のごとき、彼の者を包みこめ!」


大地は、敵が迫ってくる目の前に竜巻を作る。

その中に敵をおびき寄せて、戦意を失わせようという作戦だ。

だが、それも失敗に終わる。


「なっ!?」


何とその敵は、大地に向かって突撃してこなかった。

代わりに、竜巻を貫通するかの勢いの黒い弾を撃ってくる。


「ちっ!」


竜巻を止め、すぐさまその攻撃をかわす。

目標を失ったその黒い弾は、そのまま何処かへ消えていった。


「このっ……!」


その横では、真理亜が剣を握り、敵に斬りかかっている姿が見えた。

その相手もまた、黒い剣を握っている。


「くっ!私の攻撃をまるで予測してるみたいに……」


苦闘していた。

真理亜が右に斬れば、そこに合わせてきて。

左に斬れば、そこに合わせてくる。

敵は、真理亜の攻撃を予測しているかのような動きを見せていた。

それは偶然の産物ではない……先ほども述べた通りの、何者かの意思が込められているかのような感じだ。


「みなさん!ちょっとの間だけ済みません!!」


空は、一同にそう声をかけてから、


「大地よ。我が声に答え、その身を揺らせ!」


瞬間。

地面より音が鳴り響き、まるで地震が起きたかの様に揺れていた。


「うわっと!


何とか体勢を持ちなおした啓介は、目の前で膠着している敵を見て、


「よしっ!……数多なる緑の葉よ。我に抗う者に制裁を与えよ!」


周囲に生い茂っている木々から、啓介はその葉を借りる。

風に乗ったそれは、周囲にいる敵を、まるでブーメランの如く飛び交い、斬り裂いていた。

中にはその攻撃をかわすものもいたが、


「豊かなる風を纏い、私の前に姿を現して!」


葵が召喚した精霊により、風の勢いが増す。

啓介の攻撃と、葵の精霊の攻撃が見事に重なり合い、最早敵が逃げることは、出来なかった。


「……よし。こんなものだろう」


気づけば、瞬一達の周りにいた敵は、跡形もなく消え去っていた。


「ほう……俺の人形達をすべて消し去るとは、お前らでもそれくらいは出来るのか」

「!!」


声がする。

しかし、瞬一達の視界に、その人物は映っていない。

だが、声だけで、誰なのかを特定することが出来た。


「……由雪、迅」

「俺のことを、囮作戦なんかでおびき出せるとでも、本気で思ったのか?どこまでおめでたい連中なんだよ、バカども」

「なっ……!」


殺気は、タダものではなかった。

少しでも気を緩めれば、気絶してしまうのではないかと思うほどの殺気。

それほどまでに、由雪迅は、近くにいた。


「背後だよ。お前達のな」

「……後ろ?」


恐る恐るその方向を振り向くと、そこには、


「よう……愚かな人間共?」


不敵な笑みを浮かべた、由雪迅が、そこに立っていた。













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