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Magicians Circle  作者: ransu521
通り魔事件編
198/309

思わぬ敵

さて、時は流れて夜が来た。

学校内を歩くのは、葵の妹である空。

……少し不安が残るけど、相手をおびき出すには、なじみの顔より知らない顔の方がいい。

そう考えた俺達は、空に囮役を頼んだのだ。


「……空、大丈夫かな」


不安そうな表情を浮かべる葵。

……大丈夫だ、きっとうまくいく、はずだ。

まぁ、こんな夜中に校内をうろちょろしてるのも、なかなかに不自然なのは頷けるけど。


「……恐らく、由雪の奴は今日も来る。そう言いきれると思う」

「……本当か?晴信」

「多分だ。こなくても、俺の方から探しに行って、必ずこの手で捕まえてやる」


晴信の心意気はいいと思う。

けど……晴信は一度由雪迅と交戦して、しかも負けているのだ。

晴信一人だけでは、アイツに負けるのは目に見えている。


「その心構えはいいけど、君一人で由雪迅に勝てるのかい?」

「分からねぇけど……俺の手でやらないで、誰がやるっていうんだよ」

「……一人で勝手に突っ走るんじゃねぇ」


大地が晴信に指摘する。


「何のための俺達だよ。もっと俺達を頼れ」

「……ああ、そうするよ」


素直に晴信は頷いた。

……こうしてる内にも、由雪迅は、恐らく空に近づいている。

晴信の言う通り、この場所に来たらの話、だけどな。


「……ん?」

「何か、来るよ?」


北条が何かを察知し、葵がみんなにそう言う。

……確かに、何かが近づいてくるような感じはする。

……けど、おかしい。

どうしてだろう。

この感じ……あの時にそっくりだ。


「……春香の家の時と、そっくりだ」

「しかも、数が多いです……」


一人のものじゃない。

間違いなく、これは複数いる。

一人じゃないとしたら……何人だ?

十人はいるんじゃないか?


「……違う。これは、由雪のものなんかじゃない」


青い顔をして、晴信が呟く。

けど、その気配は、間違いなくこっちに近づいてくる。

……少なくとも、コイツらは味方じゃなさそうだ。


「……空の方の援護に、葵と北条と大地は回ってくれ。俺と晴信と啓介は前を、春香と大和は後ろを頼む」

「……」


無言で頷く。

こんな所で不満を言っても仕方ないと考えたのか、北条も顔には出ているが何も言わなかった。

……そんなに一緒がいいか、こんな時でも。


「……」


敵は、まだ遠い位置にいるようだ。

こちらに来るまでには、まだ時間がかかるらしい。


「この内に、みんな配置につけ。葵は空に事情の説明だ」

「うん」


一同は、持ち場につく。

そして、敵の襲来を待っていた。

……これだけ準備をしたんだ。

相手が誰であろうと、一応は抵抗できる自信はある。

何せ、このメンバーはある意味最強だからな。


「……後、10mってところかな」

「距離が分かるのか?大和」

「気配で、なんとなくだけどね」


なんだか少しだけはぐらかされた感じの言葉だ。

けど、ここは納得しておこう……。

……にしても、一体大和はどうしてそんなことが分かるのだろうか。

……気になってもしかたがない。

今は、近くに迫って来ている敵に集中しないとな。


「……来るぞ!!」


大地の叫び声が響く。

そして、俺達は迫ってきた敵を迎撃する為、構えをとった。
















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