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Magicians Circle  作者: ransu521
実家編
187/309

弟との対決

……さて、昼食も食べ終えたところで。


「兄ちゃん……勝負だ!」

「まったく……相変わらず負けず嫌いな性格でもあるんだからよ」


母さんに出掛けてくると言っておいて、俺達は今、広い公園に出ていた。

人気もない、遊具等も置かれていない、草だらけの公園だが。

今はこの場所が一番ちょうどよい場所だった。


「ルールは簡単。降参したら負けだ。それでいいよな?」

「構わないよ!」


さて、ルールは決まった。

……互いに距離をとって。


「……雷を帯びし我が剣よ。その姿を現し我が武器となれ」


俺は刀を出して、


「……我が命を喰らいて、顕現せよ!」


幸太は双剣を創り出す。

……相変わらず双剣か。

幸太は昔から、双剣で俺に挑んできたからな。


「兄ちゃん、相変わらずその刀なんだね」

「お前こそ、相変わらずの双剣だな。前回戦った時は、ただ振りまわしてるだけだった気もしたけどよ」

「今回は一味違うよ?弟だと思ってなめてかかったら、痛い目くらうぞ?」

「ほぉ……言ってくれるじゃねぇか。なら、その実力が如何なる程か、見せてもらおうじゃないか!」


ダッ!

始まりの合図は一切なかった。

だというのに、俺達は同時に地面を蹴り、それぞれの思う場所に全力疾走する。

俺は、幸太の胸元へ。

幸太は……バックステップで後ろに。


「攻撃を避けようっていうのか?」

「違うよ!攻撃を当てようって作戦だよ!」


幸太がそう叫んだかと思うと、


「なっ……!」


なんと幸太は、右手に持っている双剣を、俺に向かって投げてきたのだ。


「ちっ!」


俺はそれを刀で受け止める。

すると、その双剣は簡単に真っ二つに斬れた。

……剣が真っ二つだと?


「そりゃ!」


考え込んでいる内に、幸太が左手に持つ双剣もまた、俺に向かって投げてくる。

俺はそれを再び刀で受け止めると、真っ二つにぶった斬る。

やはりその双剣は、いとも簡単に斬ることが出来た。


「……お前、まさか」

「この双剣は、そんなに魔力を注いでいないから……こんなことも出来るんだよ、兄ちゃん!」


ゲッ!

やっぱり剣をもう一組作ってきやがったか!


「せいっ!」


今度はそれを使って、俺に斬りかかってくる。


「甘い!」


それを甘んじて受け入れられる程、俺も人間出来てはいない。

俺は双方からやってくる攻撃を受け止めると、すかさず、


「はぁっ!」

「そう簡単にやられるわけにはいかないよ!」


反撃に移ろうとした……が。

その攻撃は、幸太に止められてしまう。


「ちっ!」

「今度はこっちの番だ!」


今度は幸太が、双剣の片方を再び投げる。

……考えろ、俺。

双剣を投げるということは、俺にその剣を受け止めてほしいからだ。

受け止めれば、アイツはもう片方の双剣を使って俺に攻撃してくる。

……なら、


「かわせばいいんだ!」

「え!?」


飛んできた双剣を、俺は右に体を傾けることによって避ける。

投げられた双剣は、遥か彼方へと飛んで行った。

それを一瞬だけ見てから、


「はぁっ!」


すかさず右回転の要領を使い、左から右に斬り払う。

だが、これは幸太に受け止められる。


「けどな、そんなの予想してたっての!」

「……え?」


驚く声を無視して、俺は刀を逆手にして、左手で持つ。

勿論、峰で。


「これで……終わりだ!」

「え?ちょ……」


そして俺は、刀の刃先を、幸太の首先に持っていき、


「……俺の勝ちだな、幸太」

「うう……悔しいけど、今回は負けは認めるよ」


この勝負は……俺の勝ちに終わった。
















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