最終日の朝
激しい戦闘(?)があった修学旅行二日目も終わり、今日は修学旅行三日目。
つまり……今日、俺達は京都を出るということだ。
何だかあっという間に終わった修学旅行だった気もするな……。
「ん……」
その日の朝は、起床時間の10分くらい前に起きた。
他の人は……。
「あ、おはよう、瞬一」
「ああ。おはよう」
大和を除いた他の人達は、未だに夢の世界旅立っていた。
にしても……大和は何時に起きたっていうんだ?
「今日はもう帰る日だからね。準備もしたかったことだし、30分前には起きてたよ」
「早っ!?……だってお前、俺達と同じ時間に寝たじゃねえか」
「そうだね。けど、早起きはすることは出来たよ」
俺達は、昨日は夜の間、就寝時間が過ぎても寝ていなかった。
トランプやったり、深夜帯の番組を見たり、女子部屋に侵入しようとしてた晴信を全力で引きとめたり……。
ああ、思い出に残る修学旅行だったぜ。
東大寺では織にも会ったしな。
「それよりも、もうすぐ起床時間だ。みんなを起こさないとね」
「みんなっつか、大地と晴信の二人だけどな……」
「……何だ、もう朝か?」
俺達の会話が聞こえていたのか。
大地は自ら体を起してきた。
「おう、おはよう。大地」
「ああ……おはよう、瞬一・大和。二人とも起きるの早いな」
「まぁな」
少し眠いのか、大地はまだ目をこすっていた。
……寝たのが12時越してたしな……眠いのは仕方あるまいな。
そして、深夜に一番テンションが高かった晴信は、未だに夢の中である。
「……起きろ晴信。早くしないと、朝食がなくなるぞ」
「……」
晴信、起きず。
今度は大地が起こしてみる。
「晴信!朝だ!!」
「……う~ん」
寝がえりを打ったが、それまでだった。
すると大和が、晴信の耳元で、
「早く起きないと、美少女が君に……」
「何!?美少女が!?」
……大和、その起こし方は反則だろ。
ていうか、それで起きるとかよく考えたな。
「安心しろ。美少女なんて、こんな男子部屋にはいないからな」
「え……あれ?」
「何部屋中をキョロキョロと眺めているんだ?」
さっきの大和の言葉を半ば信じているのか。
部屋中を見回して、『美少女』とやらを探していた。
当然、こんな部屋にはいるわけがない。
「なんだ……さっきの話は嘘か。それじゃあ、もうひと眠り……」
「するな。もう起床時間だっつの」
「あれ?もうそうなのか?」
寝ようとしていた晴信を全力で止めて、俺は晴信にそう言った。
すると、意外そうな表情を浮かべて、晴信が言葉を返してきた。
……まぁ、朝起きていきなり起床時間だと言われても、そんな反応しか出来ないのも当然か。
「じゃあ改めて……おはよう、大和・大地・瞬一」
「ああ、おはよう」
「おはよう、晴信」
「……おはよう」
俺・大和・大地の順番で、晴信に答える。
……うん、やっぱり朝は挨拶からだな。
「それじゃあ、僕達もそろそろ着替えないとね」
「あ、そっか……俺達まだ寝間着のままだったな」
さすがにこの格好のままで朝食を食べるのはまずい。
皆が着替えてきている中で、俺達だけ着替えていないというのは恥ずかしいからな……。
「んじゃ、ちゃちゃっと着替えちゃって、朝食を食べに行くとしようぜ」
「だな」
俺達は、すぐに着替えを済ませて、ある程度の荷物を片づけてしまい、そして朝食を食べに、食堂に向かった。




