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Magicians Circle  作者: ransu521
修学旅行編
176/309

謎の音

と、言うわけで。


「奈良の大仏がある所……東大寺にやってきました」

「へぇ~奈良の大仏って東大にあるんだぁ~」

「……正気か?晴信」


春香の言葉にそう反応を示した晴信に、俺はそう突っ込みを入れる。

東大って……寺じゃねえし、奈良県にないからな。

それと、東大寺って寺は、今まさしく俺達の目の前に存在するからな。


「東大寺だろ?東大所属の寺ってことだろ?」

「違うよ、晴信……東大寺って言うのは、金光明四天王護国之寺とも呼ばれていて、奈良時代に聖武天皇が力を注いで建立した寺のことだよ。ちなみに、奈良の大仏は、文献によると盧舎那仏と言われていて、この寺の本尊にあるらしいよ」

「さすがは大和君!歴史にも詳しいなんて……ヽ(^o^)丿」


……北条。

時々お前の顔文字表現がわけわからなくなる時があるぞ。

それは使い方あってるのか、間違ってるのか?


「さて……ここからは自由行動らしいからな。大地・大和・晴信。俺達も本尊に行って、奈良の大仏とやらを拝みに行こうぜ?」

「俺もか?……まぁ別にいいけどよ」


大地も承諾。

大和と晴信は何も言わずとも、賛成している。


「あ、あの……私達もご一緒しても、構わないですか?」

「うん、私も私も!」

「無論、文句なし」


男四人で行っても、華がないからな……。

女子が、しかも四人もいるのは文句なしだな。


「ちょっと。何でこの変態と一緒に行かなきゃならないのよ!いるだけで風紀が乱れる!」

「何だと!男が変態で何が悪い!」

「……突っ込むとこ、そこじゃねえだろ」


明らかに拒絶反応を示している琉川と、そんな琉川に意味もない反抗をする晴信。

……見ていて何だか寂しくなってくる。


「はぁ……先に行こうぜ、みんな」


と、他の奴らを連れて中に入ろうとしたその時だった。

カン!という、謎の金属音が聞こえてきた。


「……今の音、何だ?」

「さぁ……何だろう?」


葵が、分からないと言ったような表情を浮かべる。

他の奴らの表情も見てみたが、やはり同様の物であった。


「……お前らはここで待ってろ。ちょっくら見てくる」

「いやいや何言ってるんだよ。ここはみんなで行くべきだろ?お前だけにいい所とらせてたまるかよ!」


いつの間にか琉川との喧嘩を終えてきたらしい晴信が、そんな反応を見せた。

……琉川も来ていたか。


「風紀の乱れはよくないわね……私も行くわよ」

「琉川もか?まぁ、琉川がついてくる分には構わないけど……どうせ俺達まとまって行くことになるんだろうし」


見ると、行く気満々なメンバーの姿があった。

……俺だけに行かせる気はないということかいな。


「分かったよ。みんなで行くぞ」

「そうでなくちゃな!」


何故か喜んでいる晴信。

……いやいや、喜ぶ意味がよくわからないんだけど。


「だってよ、こういうのって、何だか運命的な出会いとかありそうじゃん♪」

「……お前はここに残ってろ、晴信」

「ひどっ!?」


いや、だって……ねぇ?

明らかに何か裏を感じさせる奴なんか連れて行きたくないのは、当然の反応だよな?


「まぁいいじゃないか、瞬一。とにかく今は、音のした方に行ってみようよ」

「……だな」


とっとと行かないと、音を出していた正体が分からなくなってしまう可能性もある。

それだけは、避けなければならない……。

と、言うわけで。

俺達は音のした方に走って向かうこととなった。













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