表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Magicians Circle  作者: ransu521
修学旅行編
174/309

深夜の女子達の会話

Side葵


私達は、消灯時間を過ぎた後でも、未だに起きてた。

折角の修学旅行なのに、11時に寝てしまうのはなんとなく勿体ないような気がしたからね。


「それじゃあ……何の話をしよっか?」


電気だけが消えていて、並べられた四つの布団の、真ん中の二つの布団に集まり、寝てるわけでもなく、互いに向かい合って話をしていた。

私達の班は、私・春香ちゃん・北条さん・琉川さんの四人。

春香ちゃんは仲良くなれた気がするし、北条さんは、下の名前で呼ばせてはくれないものの、仲が悪いわけではない。

ただ……琉川さんは、何だか妙に私達のことを避けてるような……そんな気がした。


「何の話もなにも、消灯時間は過ぎてるんだから、寝るのが当然でしょ?」

「あらあら……琉川さんは空気も読めないような女子生徒だったのかしら?それはとても残念ねぇ……」

「貴女だけには言われたくないわよ……北条さん」


うん、それは私も同感だと思う。

特に、大和君が絡むと、本当に空気が読めなくなるよね、北条さんは。


「それよりも、本当に何の話をしましょうか……?」

「それじゃあ、定番の恋ばなでもしましょうか?」


春香ちゃんの言葉に、北条さんが答える。

……恋ばなかぁ。

北条さんの好きな人とかは知ってるけど、春香ちゃんや琉川さんは、誰か好きな人とかいるのかな……?

そういえば、北条さんがどうして大和君のことが好きになったのかも、少し気になるかも。


「恋ばな?私には好きな人はいないわよ」

「いないん……ですか?」

「ええ。私のタイプと言えるような人はいないわね」


なんだかんだ言って、琉川さんは話に参加してくれている。

優しい人だな……琉川さんは。

それにしても、好きな人はいないのか。


「なら、琉川さんのタイプとかは?」


私は、琉川さんにそのことを尋ねる。

すると、


「規則をきちんと守って、人の話はちゃんと聞いてくれて、自分から行動出来る人が理想ね」

「な、なかなか難しいですね……」


春香ちゃんの言う通り、それはちょっと難しいかもなぁ。

なかなかそんな人なんて現れるものでもないよね。


「そうね……このクラスで言うなら、大和君辺りが一番妥当な線かしら?」

「なっ……大和君は渡さないわよ!」

「別に大和君のことが好きってわけでもないわよ……そういえば、貴女は大和君のことをどうして好きになったのかしら?」


琉川さんが、質問を加えて言葉を返してきた。

北条さんは、よくぞ聞いてくれたという表情を浮かべたと同時に、


「部活で大和君の剣捌きを見た時に、一目惚れしてしまったのよ……華麗なる動き、尚且つ無駄な動きがほとんどない。そして、イケメン……///」

「結局最後は顔なんですね……」


春香ちゃん、それは言ってはいけないところだと思うよ。



「北条さんは一目惚れだったんだね……それじゃあ、春香ちゃんは?」

「え?私……ですか?」


自分に振られて、春香ちゃんは顔を赤くして、戸惑っていた。

なんというか……今の春香ちゃん、結構可愛い……かも。


「な、名前は恥ずかしくて出せないのですけど……」

「いいわよ。無理に名前を言わなくたって。いるだけ琉川さんよりましよ」

「何よ、その言い方は……」


北条さんからの言葉に、琉川さんは喧嘩腰になる。

せめてここでの喧嘩はやめて欲しいかも……。


「春香ちゃん、話を続けて」

「あ、はい……」


私は春香ちゃんに先を続けるように言った。

それを受けて、春香ちゃんは話を続けた。


「一緒にいるだけで、なんだか胸が熱くなって……楽しくて、困った時に助けてくれる。私は、そんなところが、好きになってしまいました……」


赤かった顔を更に赤くして、春香ちゃんはそう言った。

困った時に助けてくれる人、か……。

一体どんな人なんだろうか?


「う……一之瀬さんも青春してたのね。私だけなのかしら、そういう人がいないのは」

「焦る必要はないと思うよ……何せ、時間はまだタップリあるんだし」

「……そうね」


私がそう言うと、琉川さんは納得したようにそう言った。


「さて、最後は細川さんだけど……その前に」

「?」


琉川さんは、突然立ち上がり、扉のところまで歩いていく。

そして、静かに扉を開いた。

すると、そこには……。


「……あ」

「やっぱり。外から人の気配がすると思ったら。お風呂を覗くだけじゃ物足りずに、部屋に侵入、か……」

「いや、あの、その……」

「天誅!!」


ドゴッ!

物凄く痛そうな音と同時に、晴信が殴られているのが見えた。

……って、部屋に忍び込もうとしてたのは晴信だったんだ。















結局、私の話はそのまま流れたのだった。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ