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Magicians Circle  作者: ransu521
修学旅行編
172/309

ある意味の勇者達

「というわけで、今回の主導権は俺にあるってことでいいか!?」

「……やめろ。お前が主導権握ると、ここにいる全員が抹殺されかねないからな」


大事なところをタオルで隠しつつ、晴信が胸を張ってそう言った。

……はぁ、正直言ってかなりいやだ。


「何で俺まで……」

「諦めろ、大地……今の晴信は何言っても止められないぞ」

「……逃げないか?瞬一」

「逃げたいけど、駄目みたいだ」


なんか、今の晴信を見ていると、逆に逃げる気が失せるというか……。

なんとなく、コイツの末路が見てみたいという気分にもなる。


「にしても、露天風呂気持ちいいな……」

「……現実逃避はやめろ」


大地がどことなく現実逃避をしていたので、俺はすぐに現実を突きつける。

……出来ることなら、大地と同じように現実逃避していたい……。


「さぁてお前ら!まずは女子風呂覗きの三カ条を伝授してやるぞ!」

「三カ条なんてあったんだな……」


初めて知ったぞ、そんなの。

てか、風呂覗きなんて、俺はやらない主義だからな。


「まずはその一!みんなのことを考えて!!」

「「「「みんなのことを考えて!!」」」」

「その二!見る前には頂きます、見終えた後はごちそうさま!!」

「「「「見る前には頂きます、見終えた後はごちそうさま!!」」」」

「その三!男なら、迷わず行動しろ!!」

「「「「男なら、迷わず行動しろ!!」」」」


……異様な空間に迷い込んだようだ。

最早、この露天風呂に対する感想など、何一つコイツらは持ってはいない。

……こんなにも、ここから見る風景というのは綺麗なのに。

これぞまさしく、花より団子という奴だろうか?


「うむ。その心意気、大変結構である!!」

「うざいな……」

「俺も思った。けど、口にしてはいけない約束みたいだぞ」


まぁ、否定はしない。

今の晴信を止めるのは不可能だと言ったのは、間違いなくこの俺であるのだから。


「……それでは諸君。早速薔薇の花園を覗くことにしようじゃないか!」

「「「「おおおおお!!」」」」

「もう嫌だ……遠くから監視してようぜ」

「まぁ、犯罪者予備軍になり下がるよりよっぽどましだな」


そんなわけで、俺と大地は離れた場所で見ることにした。

そんなことに気づくわけもなく、晴信達は覗きを続ける。


「くそっ……何処かに隙間はないかな……」

「竹の柵なんだろ?ちょいと分ければどうにかなるんじゃないか?」

「おお!さすがは啓介!!」


……啓介、お前もか。

まさか君も、変態の仲間入りをするとはな。


「男は生まれた時から変態なんじゃい!!」


ついに晴信がご乱心になった!!


「もう我慢出来ん!みんな、梯子戦法で行くぞ!!」

「「「梯子戦法?」」」

「簡単に言えば、踏み台をどんどん積み重ねていく方法だよ!!」


……ならそう言えよ。


「瞬一、お前も手伝え!」

「誰が手伝うかよ。やるならお前らだけでやれ」

「そうさせてもらうぜ!!」


……興奮してるからか。

俺達がやらないと言っても、反論することもなかった。

話がややこしくなるより楽だけどな。


「ここをこうして……えっと……よっしゃ!」


数分後には、そこには踏み台による梯子的な何かが完成していた。

……この行動力をもっと他の場所で使えよ。


「それじゃあ……いざ御拝見!!」


踏み台を登り……おお、ついには柵がなくなる頂上まで辿り着いたぞ?!

そして晴信達が女子風呂を覗こうとした、まさにその時だった。


「全部まる聞こえなのよ、この変態!!」

「この声は……風紀委員の琉川飛……かはぁ!!」


おお……見事に晴信の顔に桶がクリーンヒットしたな。

他の男子も、同じような状態にあっていた。

……アホ共が。


「だからやめろって言っただろ?」

「アンタ、やめろなんて一言も言ってないだろ……無念」


ガクッと、その場に晴信達は倒れてしまった。

……これが、激闘を戦い抜いた者の末路か。

全然興味ないけど。
















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